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温室効果気体とは?(2) [異常気象と地球温暖化]

kisyo5satu_1.jpg まずは「異常気象と地球温暖化」の概要からお勉強。参考は日本気象学会・地球環境問題委員会(編)『地球温暖化~そのメカニズムと不確実性』(2014年刊)」、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(2015年刊)より。

 昨今、異常気象(30年間に1回以下の頻度で発生する現象)が多発。それは人間活動によって二酸化炭素などの「温室効果気体」が大気中に増えたことが主原因と指摘される。

 これは昭和63年(1988)に始まった~気象変化に関する科学的な判断材料の提供を目的とする「気象変動に関する政府間パネル(IPCC)」の、これまで5次(第5次報告は平成25年・2013~翌年にかけて3部会が報告。会場:スウェーデン・ストックホルム)の報告で明らかにされている。

 主な「温室効果気体」は二酸化酸素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N20)。これら気体は元来、自然の力で循環していた。二酸化炭素は光合成と呼吸・分解によって大気~陸上生物圏の間で、またその分圧差に応じて大気~大洋の間で交換されてきた。

 メタンは湿地、海洋、森林火災などから発生し、対流圏での水酸基ラジカル(OH)との反応、土壌による吸収、成層圏のOH、塩素原子、励起酸素原子などと反応して消滅。一酸化二窒素は土壌と海洋の微生物の活動、大気中のアンモニアの酸化などによって発生し、成層圏に到達後は紫外線による光分解や励起酸素原子との反応によって消滅。

 これらはエルニーニョ現象、火山噴火、氷期~間氷期サイクルなどで環境バランスが崩れた場合を除き、上記システムによって一定に保たれてきた。しかし18世紀後半の「産業革命」を契機にした人間活動の活発化で、大量の温室効果気体が増えた。

 二酸化炭素は、化石燃料燃焼や森林破壊などで大気に蓄積された。メタンは、反芻動物や天然ガスの採掘や輸送中の漏洩、石炭採掘、埋め立て、バイオマス燃料などによって増えた。一酸化二窒素は化石燃料燃焼、工業活動、バイオマス燃料、河川や海洋への窒素化合物の流出で増加した。

 二酸化炭素濃度は1950年代から調査が行われ、その後も様々な調査方法によるデータによって化石燃料燃焼によっての増加が認められ、メタンも従来より約3倍に増えたとされた。

 その結果、地上温度はこの100年通算で右上がり傾向。調査不確定要素を残すも明治13年(1880)~平成24年(2012)で0.85度上昇。南半球に比べて北半球の上昇率が大(ヒートアイランドの影響もあるも、IPCCデータは大都市を含まない)。

 海水温は、20世紀初頭から現在まで0.7度ほど上昇。海洋内部も水温上昇が明らかにされた。また熱帯の海面上昇や偏西風蛇行などが関わって異常気象が多発。次は「異常気象・地球温暖化」に関する歴史を振り返ってみる。写真は図書館で借りた本。

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