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公害から「パリ協定」まで(3) [異常気象と地球温暖化]

ondankasinsyo_1.jpg 図書館で借りた5冊の他に、メモ記入可の本も欲しく、高田馬場の古本街で次の新書を入手した。1988年度毎日出版文化賞の石弘之著『地球環境報告』(岩波新書)、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(岩波新書)、澤昭裕著『エコ亡国論』(新潮新書)、武田邦彦著『日本人はなぜ環境問題にだまされるのか』(PHP新書)。これら書も加えて「地球温暖化問題史」を私流でまとめてみる。

 昭和47年(1972)6月5日、スウェーデンで世界初の大規模な政府間会合「国際連合人間環境会議」(ストックホルム会議)が開催。「人間環境宣言及び環境国際行動計画」が採択。これを実行するために国連に環境問題を専門的に扱う「国際連合環境計画(UNEP)」が設立。6月5日が「環境の日」になった。

 ~昭和55年(1980)までの環境問題は主に「公害」テーマ。大気汚染、水質・土壌汚染、悪臭、地盤沈下など。日本の具体例を挙げると「四日市ぜん息」、熊本・新潟の「水俣病」(チッソ)、ダイオキシン(塩素を含む物の燃焼で発生する毒性)、神通川流域の「イタイイタイ病」(カドミウム)、オキシダント(酸化力の強い物質で光化学スモッグ)、酸性雨など~。

ondankazu_1.jpg 1980年代になると「地球温暖化・オゾン層破壊」が注目されて「気象変動に関する科学的知見整理のための国際会議」が昭和60年(1985)に開催。昭和63年(1988)に国際的な専門家でつくる地球温暖化についての科学的な研究の収集・整理のために国際連合環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって政府間機構「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立。

 IPCCは数年おきに地球温暖化に関する世界数千人の専門家による科学的知見を集約の「評価報告書」(3部門)を提出。第1作業部会(WG1 )=気象システム及び気候変動について。第2部作業部会(WG2)=生態系、社会、経済などの各分野における影響及び適応策について。第3作業部会(WG3)=気候変動に対する対策についての評価。現在までに第5次報告書が提出されている。

 一方、先進国が自主的に温室効果ガスを削減するために、平成7年(1995)春に「気候変動枠組条約国会議(COP)」1回目がベルリンで開催。平成9年〈1997)12月の第3回(COP3)で、温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書」を採択。各先進国が平成20~24年〈2008~2012)の5年平均で、平成2年(1990)に比し日本6%、米国7%、EU8%が定められたが、その技術問題、地球環境(公共財に対する外交間題)、途上国に削減義務なし、ペナルティ問題、米国脱退、ロシアがゴネるなど問題山積で足並み揃わず。

 平成21年(2009)、コペンハーゲンでの「国連気候変動首相会議」で鳩山首相が2020年までに温室効果ガスを1900年比25%を表明。日本各界から懸念・避難殺到。

 どうにか形になったのが平成25年(2013)末の「IPCC第5次報告」の余りに厳しい報告を経ての、平成27年(2015)11月のCOP21「パリ協定」だった。云うまでもまく各国足並み揃わぬ間に、地球環境悪化はさらに酷くなっていた。(続く)

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