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CO2処理技術は2009年で~(10) [異常気象と地球温暖化]

ondankasyotai_1.jpg 11年も前の2009年9月刊のウォレス・ブロッカー/ロバート・クンジク著『CO2と温暖化の正体』最終の14章「大気を浄化する」、15章「炭素の処分」、16章「気候の修復」が、この辺の取り組みを詳細に紹介している。

 ウォレスは米国の地球科学者(2019年2月、87歳で逝去)。氏の大気中CO2濃度上昇と地球温暖化が比例するとの指摘によって「地球温暖化」なる言葉が使われるようになった。

 ちなみに大気中CO2濃度は「ppm=100万分の1」で計測。産業革命前は約280ppmで、2013年には396ppmで約40%増。何の対策もしないと2100年で1000ppm前後になって気温は4度前後上昇する予測。

 ブロッカーは1991年に「宇宙船地球号(8人が暮す12140㎡の夢想的実験場)」施設長より、CO2を水酸化ナトリウムと反応させてCO2除去装置を設置するも、外気よりCO2が8倍になったことへの対策を求められた。その時に彼の基で働く大学院生が、その装置より温室土台コンクリートがCO2を吸収していることを発見。

 ブロッカーは、理論物理学者クラウスを自分のコロムビア大へ招聘し「大気からCO2を経済的な方法で回収」をテーマに研究させ、技術者ライトと組ませた。彼らは500万ドルのベンチャー投資を得て、CO2浄化装置の試作を開始。

 2009年、彼らはガス化複合発電(IGCC)を完成させ、米国やスウェーデンの電力会社がパイロット・プラントを建設。だがCO2排出は電力発電の他に運輸系(自動車、船、飛行機)の排出量が1/3で、住宅・商業施設の暖房系から10%排出。世界中で化石燃料から排出されるCO2の1年間量は29ギガトン。さらなる高効率な技術が求められた。

 次に試みられたのがCO2を海底に注入蓄積する方法。水深3000mより深く隔離すれば、CO2は水圧で海底に沈む。しかしこの実験は環境保護派が反対。だが同様技術はノルウェーの石油会社が1996年から実施。これはCO2排出1トン当たり50ドル課税で年間5000万ドルを節約するためで、北海の天然ガス田の海底下800mの地層に年間100万トンのCO2を注入。

 また米国の石油会社でも、原油を余すことなく吸い上げるためにCO2を注入する技術を開発し、年間700トンを注入。そのために同社は年間500万トンものCO 排出会社から過去10年間にわたってCO2を購入。またアイスランド政府は、玄武岩層の塩水層(800m)にCO2を注入隔離するプロジェクトを開始など~。

 重ねて記すが、これらはすでに2009年刊の書で紹介されていること。それでも「真の解決策」に至っていないことに注目です。「広く募っていても、募集はしていない」とシラ~ッと答弁する首相の基の「ゼロエミッション国際共同研究センター」(初代センター長はノーベル賞の吉野氏)は、果たしてどんな成果が出せるのでしょうか。

 グレタさんの抗議~「IPCCによる最もよい試算は、気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%あります。その実現には2018年1月1日時点で、放出できるのは残り420ギガトン。現在では残り350ギガトン未満です。今後の8年半のうち許容できるCO2排出量を越えてしまう。~なのに、あなた方が話すことはお金、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね」

 以上10回で区切ります。以後、新たに気付いたこと、お勉強したことがあり次第、このカテゴリーに追記して行きます。

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