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パリ協定からCOP25まで(4) [異常気象と地球温暖化]

kousouun_1.jpg 写真+駄句「温暖化止めてみせると高層雲」。太陽放射の約30%を雲などが遮っている。温暖化を止めるジオエンジニアリングのひとつに「太陽放射管理」も検討されているとか。

 さて前回の続き。平成25年(2013)末にストックホルムで「IPCC第5次報告」が提出された。亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』にまとめられていたので、それを参考に概要まとめ。

 温室効果ガスは、1750年を基準にして2011年の二酸化炭素は約40%増えた。その後の推移をスーパーコンピュータ駆使で①低位安定化シナリオ(厳しい緩和によって気温上昇を2度以下に抑え、2100年までにピークを抑え、その後に減少するシナリオ)、②中位安定化シナリオ、③高位安定化シナリオ、④高位参考シナリオ(排出を抑制しない成り行きシナリオ)が提示された。

 気温上昇についても4シナリオ想定で、2050年には平均1度~2度の上昇。④高位参考シナリオ(何も抑制せず)では4度上昇。北極域が最も昇温して雪氷が激滅。熱帯域が広がり、亜熱帯の乾燥帯が拡大。世界平均降水量が増加。海洋水の酸化、海面水位上昇を警告。詳しくは環境省サイト「IPCC第5次評価報告書の概要」を検索してお読み下さい。

 そして平成27年(2015)11月のCOP21の「パリ協定」へ。「京都議定書」から実に18年振り。2大排出国の中国、米国も批准。目的は産業革命前から平均気温上昇「1.5度未満」を目指した。日本は2030年までに2013年水準より温室効果ガス排出量を26%削減。2020年までに自然エネルギー発電量を8%に引き上げるとした。

kitocyo_1.jpg だが2016年にトランプ大統領が協定から脱退表明(2020年11月の脱退可能)。グレタさんが怒るのも納得です。そして2019年マドリードで「COP25」開催。梶山経済産業相(雲隠れ菅原相の後任大臣)が火力発電の維持方針を語り、小泉進次郎環境相も新たな施策を言えずで、NPO「気象行動ネットワーク」から栄光の2度目の「化石賞」を受賞2011年の福島第一原発事故で1度目を受賞)。

 今年1月21日のスイスでの世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が世界各国・地域の政官財界3千人参加で「景気や気候変動問題」をテーマに開催。トランプ大統領は「米国第一主義」(自分勝手な人に地球問題を考える頭はなし)で得た成果を自慢げに語り、グレタさんは「気候対策は何も成し遂げられていない」と怒った(写真は1月21日の新聞記事)。そして黒田日銀総裁は「気候変動リスクは日本にとって極めて現実的で、排出削減にさらに貢献する必要がある」と語ったとか。以上が「異常気象・地球温暖化」関連史の私流概略まとめ。

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公害から「パリ協定」まで(3) [異常気象と地球温暖化]

ondankasinsyo_1.jpg 図書館で借りた5冊の他に、メモ記入可の本も欲しく、高田馬場の古本街で次の新書を入手した。1988年度毎日出版文化賞の石弘之著『地球環境報告』(岩波新書)、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(岩波新書)、澤昭裕著『エコ亡国論』(新潮新書)、武田邦彦著『日本人はなぜ環境問題にだまされるのか』(PHP新書)。これら書も加えて「地球温暖化問題史」を私流でまとめてみる。

 昭和47年(1972)6月5日、スウェーデンで世界初の大規模な政府間会合「国際連合人間環境会議」(ストックホルム会議)が開催。「人間環境宣言及び環境国際行動計画」が採択。これを実行するために国連に環境問題を専門的に扱う「国際連合環境計画(UNEP)」が設立。6月5日が「環境の日」になった。

 ~昭和55年(1980)までの環境問題は主に「公害」テーマ。大気汚染、水質・土壌汚染、悪臭、地盤沈下など。日本の具体例を挙げると「四日市ぜん息」、熊本・新潟の「水俣病」(チッソ)、ダイオキシン(塩素を含む物の燃焼で発生する毒性)、神通川流域の「イタイイタイ病」(カドミウム)、オキシダント(酸化力の強い物質で光化学スモッグ)、酸性雨など~。

ondankazu_1.jpg 1980年代になると「地球温暖化・オゾン層破壊」が注目されて「気象変動に関する科学的知見整理のための国際会議」が昭和60年(1985)に開催。昭和63年(1988)に国際的な専門家でつくる地球温暖化についての科学的な研究の収集・整理のために国際連合環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって政府間機構「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立。

 IPCCは数年おきに地球温暖化に関する世界数千人の専門家による科学的知見を集約の「評価報告書」(3部門)を提出。第1作業部会(WG1 )=気象システム及び気候変動について。第2部作業部会(WG2)=生態系、社会、経済などの各分野における影響及び適応策について。第3作業部会(WG3)=気候変動に対する対策についての評価。現在までに第5次報告書が提出されている。

 一方、先進国が自主的に温室効果ガスを削減するために、平成7年(1995)春に「気候変動枠組条約国会議(COP)」1回目がベルリンで開催。平成9年〈1997)12月の第3回(COP3)で、温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書」を採択。各先進国が平成20~24年〈2008~2012)の5年平均で、平成2年(1990)に比し日本6%、米国7%、EU8%が定められたが、その技術問題、地球環境(公共財に対する外交間題)、途上国に削減義務なし、ペナルティ問題、米国脱退、ロシアがゴネるなど問題山積で足並み揃わず。

 平成21年(2009)、コペンハーゲンでの「国連気候変動首相会議」で鳩山首相が2020年までに温室効果ガスを1900年比25%を表明。日本各界から懸念・避難殺到。

 どうにか形になったのが平成25年(2013)末の「IPCC第5次報告」の余りに厳しい報告を経ての、平成27年(2015)11月のCOP21「パリ協定」だった。云うまでもまく各国足並み揃わぬ間に、地球環境悪化はさらに酷くなっていた。(続く)

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温室効果気体とは?(2) [異常気象と地球温暖化]

kisyo5satu_1.jpg まずは「異常気象と地球温暖化」の概要からお勉強。参考は日本気象学会・地球環境問題委員会(編)『地球温暖化~そのメカニズムと不確実性』(2014年刊)」、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(2015年刊)より。

 昨今、異常気象(30年間に1回以下の頻度で発生する現象)が多発。それは人間活動によって二酸化炭素などの「温室効果気体」が大気中に増えたことが主原因と指摘される。

 これは昭和63年(1988)に始まった~気象変化に関する科学的な判断材料の提供を目的とする「気象変動に関する政府間パネル(IPCC)」の、これまで5次(第5次報告は平成25年・2013~翌年にかけて3部会が報告。会場:スウェーデン・ストックホルム)の報告で明らかにされている。

 主な「温室効果気体」は二酸化酸素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N20)。これら気体は元来、自然の力で循環していた。二酸化炭素は光合成と呼吸・分解によって大気~陸上生物圏の間で、またその分圧差に応じて大気~大洋の間で交換されてきた。

 メタンは湿地、海洋、森林火災などから発生し、対流圏での水酸基ラジカル(OH)との反応、土壌による吸収、成層圏のOH、塩素原子、励起酸素原子などと反応して消滅。一酸化二窒素は土壌と海洋の微生物の活動、大気中のアンモニアの酸化などによって発生し、成層圏に到達後は紫外線による光分解や励起酸素原子との反応によって消滅。

 これらはエルニーニョ現象、火山噴火、氷期~間氷期サイクルなどで環境バランスが崩れた場合を除き、上記システムによって一定に保たれてきた。しかし18世紀後半の「産業革命」を契機にした人間活動の活発化で、大量の温室効果気体が増えた。

 二酸化炭素は、化石燃料燃焼や森林破壊などで大気に蓄積された。メタンは、反芻動物や天然ガスの採掘や輸送中の漏洩、石炭採掘、埋め立て、バイオマス燃料などによって増えた。一酸化二窒素は化石燃料燃焼、工業活動、バイオマス燃料、河川や海洋への窒素化合物の流出で増加した。

 二酸化炭素濃度は1950年代から調査が行われ、その後も様々な調査方法によるデータによって化石燃料燃焼によっての増加が認められ、メタンも従来より約3倍に増えたとされた。

 その結果、地上温度はこの100年通算で右上がり傾向。調査不確定要素を残すも明治13年(1880)~平成24年(2012)で0.85度上昇。南半球に比べて北半球の上昇率が大(ヒートアイランドの影響もあるも、IPCCデータは大都市を含まない)。

 海水温は、20世紀初頭から現在まで0.7度ほど上昇。海洋内部も水温上昇が明らかにされた。また熱帯の海面上昇や偏西風蛇行などが関わって異常気象が多発。次は「異常気象・地球温暖化」に関する歴史を振り返ってみる。写真は図書館で借りた本。

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今年は「異常気象と地球温暖化」のお勉強(1) [異常気象と地球温暖化]

poster_1.jpg 昨年12月に「飛行機雲の尾流雲にグレタさんの怒り」をアップした。飛行機雲=炭素系排ガス。異常気象と地球温暖化の原因のひとつで「我が国は、その辺にトンと無頓着」と記した。

 小生スマホに副都心線で写した、こんな写真があった。2020年夏 世界が東京に押し寄せる」と題し「五輪中に1千万人以上の人々が来日。道路や公共交通がスムーズに流れるようにご協力をお願いします=スムーズビズ」のポスターだが、小生はこの図柄にギョッとした。世界中のジェット機が東京に排ガスを撒き散らしに来る図に見えたんです。

 スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが「飛行機に乗らぬ主義」もそれ故で、昨年9月の国連本部での「気候行動サミット」演説のためにもヨットで渡米した。このポスターから、グレタさんの演説から、今年は「異常気象と地球温暖化」について、ちょっとお勉強してみましょと思った次第。

 まずは手軽に読める新書で~。そう思って新宿紀伊国屋・新書コーナーへ。「あらぁ、何と云うことでしょう、1冊もない」 店員に訊けば4階「環境コーナー」へどうぞ。そこは昨年に「雲」本を探したコーナーの隣で、難しく高価な書籍がたくさん並んでいた。さて、どの書を購読するか? 「アンチ環境問題」系の書、60年代の「公害」の書、「環境ビジネス」の書、環境系スキャンダル(クライメートゲート事件)の書もあり。

 ひと口に「異常気象・地球温暖化」と云えども、その捉える角度の余りの多彩さにたじろいだ。「雲」本は写真大判の高価本が多くて購うのを諦めて図書館本にしたが、今回もまずは図書館本でお勉強と相成った。

 図書館で吉野正敏著『地球温暖化時代の異常気象』、武田邦彦著『科学者が読み解く環境問題』、マッケンジー・ファンク著『地球を「売り物」にする人たち』、ウォレス・S・ブロカー/ロバート・クンジク著『CO2と温暖化の正体』、日本気象学会・地球環境問題委員会編『地球温暖化~そのメカニズムと不確実性』を借りた。

 この5冊各々が同テーマながら取り組む角度が全く違っていた。「異常気象と地球温暖化」の世界を覗こうとすれば端から高い壁。この辺も「日本ではトンと無頓着」の一因なのかも知れない。「異常気象と地球温暖化」のお勉強は、相当に手強そうです。

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五輪イヤーの不動産は? [政経お勉強]

tokyozenbo_1.jpg 小生は超高層ビル好きだが「こりゃ、ちょっと建て過ぎじゃないの」が正直な感想。都庁展望階から湾岸まで超高層ビル吃立で〝剣山〟のよう。

 これら超高層のオフィスビルへの入居会社も、商業複合ビルへの出店舗も、高額マンション購入者も数に限りがあろう~。新ビルへ入居すれば、どこかで「空き室」が生まれているはず。

 商業複合ビルの多くが劇場を有しているのにも呆れる。そんなに興業事業があるワケもなく、素人ながら「馬鹿だなぁ」と思ってしまう。不動産デベロッパーは開発を止めると倒れるのか。自転車操業のように、まぁ次々に新計画を展開です。

 世の基調は「少子高齢化」です。五輪後に選手村はマンション大量供給となる。投資家も不動産屋も価格上昇は「五輪まで」が合言葉。今朝の新聞に「マンション バブル並み5980万円」の題字。だが発売戸数は27年振りの低水準になったとの内容。

 白井さゆり著の不動産関係記述に加え、牧野知弘著『2020年マンション大崩壊』も参考にする。~今のマンション高騰は需要によるものではなく「建築従事者の高齢化による減少=人件費上昇+建設資材や原材料の上昇=建築コスト30%値上がり」による。白井著は「それを生んだのが日銀の異次元緩和と五輪開催決定です」

 加えて都心以外での高騰は少なく、1980年代末のバブルとは明らかに違う。上記理由ゆえに需要を伴わない、資産価値を伴わない建築ラッシュと高騰に、もしローン融資が焦げ付けば~と危惧する。東京都は五輪を契機に「東京国際金融センター構想」を掲げているそうだが「リスクマネー」嫌いの日本は、ロンドンや香港のようにはならないだろう。他に好材料も見つからないと記していた。

 「株価」が実態と違っていること。昨今の超高層ビル群に「成長神話がない」ことを認識するのが肝心ってことだろうか。白井著は最後に「今は成長なき時代のなかで、いかに充実した生き方を求めるかが進むべき道でしょう」と結んでいた。

 そこで昨年秋の国連本部での「気候行動サミット」でのスウェーデン少女・グレタさんの演説が再び胸に響いて来た。~あなたたちが話すのは金のこと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。もしあなた方が私たちを裏切るならば、あなたたちを絶対に許さない~

 先日のダボス会議でも、トランプ大統領はディール(脅し取引)で得た効果で米経済好調をアピールをするばかり。17歳になったグレタさんは「気候対策は何もなし遂げられていない」と反論。安倍首相の施政方針演説も、実態から離れた〝成長〟を自慢気に語り、躍動感あふれた新しい日本へ~と時代錯誤〝戦後復興〟風に白々しく語っていた。

 今年は遅まきながら、グレタさんや彼女に賛同する世界中の青少年らに敬意を表しつつ「気候変動、温暖化」のお勉強を少ししてみたいと思いました。

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五輪イヤーの日本経済? [政経お勉強]

goringo_1.jpg 元日銀審議委員の慶応義塾大教授・白井さゆり著『東京五輪後の日本経済』を読む。前項「兵器を買わされる日本」と同じく、このテーマ(経済)も無知・苦手だが、せめて年頭は頑張ってお勉強です。

 まずは「アベノミクス」について。平成18年(2006)から翌年までが〝美しい国〟なる意味不明な第1次安倍内閣。閣僚不祥事続出と首相自身の体調不良で退陣。以後、福田~麻生~鳩山~菅~野田内閣を経て平成24年(2012)に第2次安倍内閣。ここで出て来たのが「アベノミクス」。

 平成20年(2008)の「リーマンショック」時は麻生内閣。翌3月株価=7054円の大底。菅内閣の平成23年(2011)3.11に東日本大地震で株価8605円。そして平成24年(2012)の第2次安倍内閣「アベノミクス=大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」。

 黒田日銀総裁主導の「大胆な金融政策」は「量的・質的金融緩和=異次元緩和」。長期国債とETF(指数連動型上場投資信託。詳しくは各自お勉強下さい。)買入れにジャブジャブとお金を投入。ETF買入れは1995年(村山内閣・松下日銀総裁)からだが、「アベノミクス」は異次元のジャブジャブ投入。

 アベノミクスのETF買入れは当初、年間1兆円だったが3兆円から6兆円とエスカレ―ト。かくして日銀ETF保有額は30兆円余。東証1部の時価総額574兆円余の約19%で、マーケットを左右する巨額資金になった。

 次いで145兆円の運用資産を持つGPIF(年金積立金管理運用独立法人)の株式買入れ。2017年の日本株の保有額は36兆円に達して日本株の最大株主。かくして日本の株は、日銀とヘッジファンド(保有率30%の外人投資家=上っても下がっても利益追求目的)によって、実態とかけ離れた状態になった。

 外国投資家は、危険を察知すればサッと引けばいいが、巨額を投じている日銀は引くことも出来ず、ただただ株を買い続けねばならずで、えらいリスクを負っている。長期国債保有額は、昨年3月末で459兆円。

 「株が上った」などとバカみたいに自画自賛しているが、企業はそんな危うさを十分に承知之介で、故にひたすら内部保留(約463兆円=2018)だ。庶民に金は回らない。当然ながら「成長戦略」も芳しくなく、目玉のIRにも怪しさが満ちている。(小生はまだまだ理解不足ですか、皆様各自お勉強下さいませ)

 追記:日本経済「五輪後の落ち込みを」紹介したが、1月に早くも暗雲。「新型コロナウイルス」騒動で中国に工場進出した諸企業、および国内観光が大打撃。五輪前に不景気風が列島に満ちた。日本、乗り切れるや。

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『兵器を買わされる日本』 [政経お勉強]

heikitokyo_1.jpg 政経のお勉強は好きじゃないが、頑張って読んでみた。著者:東京新聞社会部で12月20日刊。新書帯コピーに「これが新聞記者の調査報道です」。その1冊を自分流1回まとめ。

 平成18年(2006)、安倍内閣は〝美しい国〟を掲げ、「外交・国防を官邸主導で先導すべく」従来の「安全保障会議」を「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設を高らかに提唱。だが下痢(大腸炎)辞任で頓挫。

 翌年の福田内閣は、従来の「国防会議と安全保障会議」で充分ですと判断。麻生~鳩山~官~野田、そして平成24年(2012)12月に第2次安倍内閣発足。翌年に「国家安全保障会議」を閣議決定し、その事務局(実働部隊)「国家安全保障局(日本版NSS)」を発足(昨年末に安倍内閣を陰で支えてきた「内調」北村滋が局長就任)。

 自衛隊内部からは専守防衛、システム、人材面などから発案叶わぬ軍備拡大が、官邸主導で次々に決定。護衛艦「いずも+かが」空母化。既に計画済のF35Aの42機に加え、F35ステルス戦闘機105機(F35Aが63機、F35Bが42機)の爆買い。F35A=1機110億~180億円(空母登載F35Bはさらに高額)105機で1兆2600億円超?

 さらにオスプレイ(1機100億円想定も、実際は200億円で17機導入?)。イージス・アショア(2基1757億円)、早期警戒機F-2Dを9機(1940億円)、グローバルホーク(無人偵察機1機158億円×3機=474億円が計600億円に値上通告されているとか)。戦闘機を買えばミサイルも買わなくてはならぬが、値段未定ながら導入決定でロッキード社も腰抜けるほど仰天。

 これら軍備拡大の裏には国防目的の裏に、トランプ大統領の選挙アピールお土産要素含みとか。ワシントン・ポストは「そこまでトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注ぐ指導者は世界中をさがしても他にいない」と大絶賛(失笑)とか。

 これらは数年前の「秘密保護法」で、国民への説明はなし。かくして2019年の防衛予算案を上回る5兆3613億円の兵器ローンを抱えたらしい。毎年のローン返済のやりくりが厳しく、国内防衛企業への支払い延期を試みたが叶わずで、補正予算や予算振り分けなどの裏の手を駆使の自転車操業とか。加えてこれら兵器はFMS(=米国の装備品輸入=言い値による維持整備費)で、一度購入すれば莫大な維持管理費が続くらしい。

 新年早々にとんでもない本を読んでしまった。詳しい内容は同書をはじめ、各自お調べ下さい。ネットでもかなり調べることが出来て、調べる度に腹が立ってくる仕組みになっているようです。縁のない兵器名・数字ばかりで誤記多いかも。気付き次第修正します。

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堀田善衛から立花隆のネコビルヘ。 [暮らしの手帖]

tatibanatakasi_1.jpg 「書斎」ならば立花隆の〝ネコビル〟も欠かせぬだろう。氏の『ぼくはこんな本を読んできた~立花式読書論、読書術、書斎論』を借りるべく閉架本を求めた。閉架本は出てくるまで10分程待たされる。

 立花のネコビルは、堀田善衛『ミシェル城館の人』(ミシェル・ド・モンテーニュ評伝)のサイロ改造書斎に似ているのかしらと思った。堀田関連書を立ち読みすれば「読書=知りたいことの〝お勉強〟です」と記されていた。小生も最近は〝隠居のお勉強〟を連発で「ウムウム」と納得。

 立花隆〝ネコビル〟については、妹尾河童氏が氏との交流を語りつつビル落成までの顛末を記し、各階の俯瞰立体図を描いていた。立花は堀田と同じようなことを記していた。~文明社会が築かれたのは利便・利益・実用性を得たい知的欲求と、とにかく知りたいの純粋知的欲求によっている。後者は知的欲求レベルが低い人、高い人さまざまで、高い人は次から次へ未知な世界を求めて学習して行く人です。

 読書には2種類がある。本を読むこと自体が目的、それが楽しみな読書(主に文学書)と、読書を通じて新たな知識・情報なりを獲得したいという目的の読書がある。私の若い時分は文学書、教養書の読書では100人以内の読み手と自負していたが、今は文学書を読んでも面白いと感じることもなく、文学者の想像力の貧困さを痛感するばかり。そこで読み始めたのがノンフィクションです。

 各領域の知のフロンティアで何が今行われているかを伝えてくれるのは、それらの専門書です。それら書、論文から現在進行中の人類の巨大なドラマがリアルタイムでエンジョイできる(この辺になると堀田の〝お勉強〟領域を超えて、文字通り〝知の巨人〟領域に入って行く。小生は図書館や古本市などに行く度に、知らない世界のことが書かれている書の多さに圧倒される)。

 立花隆の書斎歴は、30代半ば迄がリンゴ箱時代。やがて自宅2階の4畳半とマンションの2室を仕事場にするようになる。大きなダイニングテーブルと作業台を得て仕事机に。52歳でネコビルを新築。約3万5千冊を収納。

 現在79歳。晩年は損害賠償請求訴訟で200万円の支払いを命じられたりで〝知の巨人〟イメージが崩れてきた。これは人物中心のノンフィクション作家・佐野眞一も同じ轍を踏んだが、『唐牛伝』で往時の筆力を復活させたなと思っている。佐野のノンフィクションは7~8割は読んでいるも、立花隆は殆ど読んでいない。最新作では何を読んだらいいだろうか。

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小生は書斎遊び、婆さんは「FireHD10」 [暮らしの手帖]

fireHD10_1.jpg 小生が部屋の整理をしていると、息子が婆さんに映画が愉しめるタブレット「AMAZON Kindle FireHD10」を持って来てくれた。

 小生のモデムに無線ランを設置し、その他ソフト各種が収められたタブレットで、お好みの映画をどうぞという。

 「NETFLIX」で選んだ映画をテレビ大画面で観ることも可能だし、息子は何やら「アレクサ」(AmazonAlexa)に話しかけてもいる。

 「ガラケー」から「スマホ」乗り換えも渋る婆さんだが、映画観たさには初「タップ・スワイプ」で映画を選んで観賞し始めた。婆さん「なんで急にこんな物をプレゼントしてくれたんだろう」と首をひねっている。

 思い当たる節あり。某日、婆さんが息子の家で孫の世話を頼まれたことあり。その時にアニメが観たい孫が、婆さんにタブレットの操作を頼んだらしい。デジタル苦手の婆さんは操作が出来ない。すると孫が「大人のクセに、どうして出来ないのよぅ~」と怒り、婆さんは「てやんでぇ、大人にも出来ねぇことがあるんだぁ!」。そんなひと悶着があってのことらしい。

 かくして婆さんはボケではいられない。そのうちに「アレクサ、私の好きな映画を」などと話しかけ出すかもしれない。


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気になる方々の書斎 [暮らしの手帖]

syosaitanbo_1.jpg 前回の続き。今回は「書斎本」から「気になる方々の書斎」を数行まとめ。

 まず詩人・吉増剛三氏は現80歳。小生、若い時分に吉増氏と諏訪優氏に下町を歩きつつ対談していただいたことがある。奥様がマリリアさん。洋風書斎と思いきや、マンション8Fの和室で正座しての詩作。念願叶って入手は江戸文机のよう。パソコン嫌いで万年筆派。インクをコレクションとか。

 同じく詩人・仏文科名誉教授の天沢退二郎氏は現83歳。やはり手書き派。自宅に書斎・書庫3か所もあるが、読書や執筆は近所の喫茶店が多いとか。騒がしい喫茶店が意外に集中できるのは小生も知っている。

 絵本・童話作家のきむらゆういち氏は現71歳。氏も自宅、事務所、大学に書斎を持っていながら、オープン書斎=ファミレス活用で面白い。

 現代美術家の秋山祐徳子氏は現84歳。都営住宅在住。母を亡くしてから独居老人。各部屋散らかし放題で足の踏み場もないが「天才は場所を選ばず。原稿はベッドに座って、原稿用紙を膝に乗せて書く」

 俳優・滝田栄氏は、現69歳。昨今は仏像彫刻で有名。八ヶ岳山麓のアトリエが仕事場。

 「話の特集」の元編集長・矢崎泰久氏は現86歳。妻子が暮す家を出て、都心マンションで一人暮らし。「介護ポストセブン」で昨年まで「一人暮らし。ああ、快適なり」を連載。氏の父の義兄が物集高量氏(106歳で没)で、自身の新婚生活は物集氏と同居で、新聞記者で外泊続きの間に、新妻が88歳の物集氏に手籠めにされたと告白。ホントかいなぁと驚いた。「好色のすすめ」「エロティズム礼賛」などを書いている。

 ノンフィクション作家・佐野眞一氏は現72歳。60歳で書庫備え付け。天井高い自宅を新築。2012年の週刊朝日「ハシシタ 奴の本性」で挫折も、雌伏後に60年安保・全学連委員長『唐牛伝』を上梓。次に読む本に決定。

 小生は20代半ばからフリーで「仕事部屋=書斎」だった。馬場アパート~早稲田通り~昔の新宿厚生年金会館の3軒隣ワンルーム~新宿御苑近くの倉庫上でベランダ付き事務所~市ヶ谷佐内坂~市ヶ谷お濠沿い~曙橋~幡ヶ谷~新宿と転々とし、事務所が2ヶ所の時もあり、また自宅も5回ほど移転した。

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「書斎本」から亡き方々の書斎 [暮らしの手帖]

syosaitatujin_1.jpg 年末に机上整理をしつつ『書斎の達人』(2008年刊、写真)と『書斎探訪』(2012年刊)を読んだ。雑誌「男の隠れ家」連載「男の書斎」をまとめた2冊。

 両書に全44名登場。11年前と7年前の刊ゆえ既に故人の方も多い。他の方々も今は80~90代。「書斎」テーマも「晩年の生き方」テーマを含んで面白かった。まずは故人になられた方々の〝書斎〟を数行でまとめてみる。

 演出家・蜷川幸雄氏。2016年に80歳没。娘は母屋と別に建つ書斎を「父の秘密場所、独特の空気感」。60歳前に蔵書処分も壁いっぱいに書籍。文具、絵、写真、フィギア、アールデコ風スタンドなど実に楽しそうな書斎。

 俳優・三國連太郎氏。2013年に90歳没。72歳頃の引っ越しで1500冊を処分。夕食後に2階の書斎に入ると鍵をかけた。同書に「休養に行く沼津別荘」とあるも、亡くなった時は「沼津の自宅で葬儀」と報じられていた。本のカバー写真は氏の書斎。

 仏文学者・出口裕弘氏。2015年に86歳没。37歳頃に調布市に膨大蔵書のために堅牢平屋を築。物置・押入れにも本が一杯。書棚別にテーマ分け。江戸関連、三島、太宰、安吾、澁澤、ボードレール、バタイユなど。背後書棚は趣味の息抜きの書。

 俳優・文学座代表の加藤武氏。2015年にサウナで倒れ86歳没。築地仲卸業の息子。早大卒後に新宿大久保中の教諭を経て文学座へ。43歳で家を建てた。奥様を亡くし、娘二人が家を出た居間を書斎した独居老人生活だった。

 作家・精神科医の北杜夫氏。2011年に84歳没。世田谷松原へ引っ越したら、そこは幼児期の場所。父・斉藤茂吉の蔵書20万冊は戦災焼失。2階の書斎は、家族に「触るな捨てるな」。夕食後に書斎に籠って朝まで執筆。

 評論家・渡辺昇一氏。2017年に心不全で86歳没。晩年は保守派論客。蔵書15万冊。古書収集家でもあり77歳で自宅とは別に蔵書保管・書斎(平屋で地下3階)を建築。個人書庫としては日本1とか。

 今は「男の書斎」テーマは時代錯誤で女性も頑張っている。「男の書斎」は怖い女房からの「避難部屋」。約半分が読書せぬ時代になって書斎は「趣味の部屋」へ。また書斎は持たないもスマホ・タブレット・PC内に各自「書斎」があるとも云えなくもなかろう。次は現70~90代の〝気になる方々の書斎〟についてのひと口メモ~。

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年たけて又越ゆべしと思きや~ [暮らしの手帖]

NISAKA.JPG.jpg 目崎徳衛著『芭蕉のうちなる西行』に、「愛唱の西行歌は」と問われて『新古今集』の「年たけて又越ゆべしと思きや命成けり佐夜の中山」(『西行全歌集』表記)を挙げた、と記されていた。

 西行二度目の陸奥への旅。東海道は大井川を越え、掛川〝日阪〟山中の急坂で詠んだ歌。年たけて=時を経て。べし=にちがいない。伊藤博之著『西行・芭蕉の詩学』には、思きや=過去視点から現在を余命と虚構化した言葉と説明。歌の意は~年老いて、また佐夜の中山を越えられたのは命あってこそだろう。

 この歌に通じる芭蕉句が『野ざらし紀行』の「死にもせぬ旅寝の果よ秋の暮」。42歳の実感句。田中優子先生が好きな句と挙げていた。

 小生、東京五輪は二十歳の生意気盛り。うるさい東京を脱出して、友人と伊豆で遊び過ごした。そして再びの東京五輪。「年たけて又見ゆべしと思きや命成けり五輪イヤーよ」だ。五輪を迎えるココロは、二十歳の時と変わらない。大勢の人々が夢中で浮かれはしゃいでいれば、身体の奥底から〝警戒せよ〟の声が聞こえてくる。案の定、為政者らは五輪を己のために取り込もうとしている。嫌いなタレントが「さぁ国民一体で盛り上がりましょう」と言っていた。〝馬鹿じゃないか〟と思った。

 12月のテレビが「米中バブル崩壊前夜か」を放映していた。米国は不動産急騰でバブル崩壊直前。中国経済も危険水域。そして囁かれる「オリンピックの呪い」。その番組を観て、読みたくもなかったが新年早々に白井さゆり(元日銀審議委員)著『東京五輪後の日本経済』、米国兵器爆買いで首がまわらなくなった日本の実態を調査報道した東京新聞社著『兵器を買わされる日本』を読むことに相成候。とても五輪だと浮かれちゃいられない「明けましておめでとうございます」です。

 カットはアップ済の広重『狂歌入東海道/日阪』の図。弥次さん喜多さんは日阪宿で、居合わせた巫女親子と酒宴の大騒ぎ。喜多さん、調子に乗って夜這いした。悦楽の契りを結んだ後で、相手が婆さんだったと知って慌てて逃げようとするが~。なにやら金髪爺さんに幼児性丸出しで擦り寄り、後で相手の手管に嵌められたと気付いて大慌て~と思ってしまう。

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