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新宿低空ジェット機とお嬢さん [異常気象と地球温暖化]

jyukujet_1.jpg 1週間前の新宿ウォーキング。韓国観光客の姿が消え、今は中国観光客も消えた繁華街だが妙に騒がしい。街に響く重低音だと気付いた。伊勢丹上空を10分程の間に低空ジェット機が次々に飛んでいたた。「新羽田ルート」3月29日からの運用に向けた実機試験らしい。

 そして2月11日。夕餉食材を購って「スーパー」を出ると、ゴォーッと重低音。見上げると夕陽を浴びた低空ジェット機。買物袋を家に置き「おまいさんも好きねぇ」の声を背に、一眼レフを手に家を飛び出した。明治通りを職安通りの交差点へ。ひっきりなしにジェット機が飛んでいた。

 交差点角でカメラを構えた。その横にピタリと素敵な若い女性。「んったくもう、あのジェット機に頭きたのに、誰も関心を示さない。低空ジェットと無関心な人々に怒りつつ新宿から歩いてきたら、オジさんが写真を撮っていた。あれはオリンピックのためでしょ。そんなものやらなきゃいいのにねぇ」

 マシンガンのように喋り出した。あたしは「騒音だけじゃなく、排ガスも撒き散らしてんだ。オリンピックの〝スムーズビズ〟のポスターを見たかい。世界中から東京へジェット機が集中する絵柄にゾッとしたよ」「あたしはオリンピックの時には北海道へ行っていたいと思ったんだけど、お金がないから~」

 「おぉ、俺はこの前のオリンピックの時に、東京脱出して伊豆で遊んでいた」「ええっ、1964年の」「二十歳だったかなぁ」。共にマスク姿。女の子は帽子にマスク。互いに容貌わからぬまま話は続いた。「あたしは、このまま池袋まで歩くの」「おぉ、俺も昔に歩き過ぎて踵を痛めたことがあるから、ほどほどがいいぞ」「うん、あたしもちょっとヘルニアがあるかなぁ」

gasujet_1.jpg マシンガントークは続く。「でね、あたし、ウォーキングで銭湯巡りするのが趣味なんだ」。彼女が訪ねたあちこちの銭湯の話をする。あたしは若い頃のPR会社勤務時代に、銭湯を盛り上げるキャンペーンに携わったことがある。「銭湯はその頃からずっと頑張っているんだ」と話した。

 「うわぁ、PR会社って興味あるなぁ。それにしてもさぁ、日本の政治家って何を考えてんだかさっぱりわかんないよ。シラ~っと平気でウソをつくし」「ご飯論法か。若いのに政治に関心があるのはえらいなぁ」「んと、オリンピックに金使うなら、もっと他に使わなきゃいけないところがいっぱいあるだろって~」

 歩き出しても話は止まらない。「俺んち、そこを曲がった所だから。歩くの、余り無理をするなよ」「うん、ありがとう」「さようなら」。

 家に戻ってバアさんに「今、若いいい女に逢ったぞ」と云ったらバアさんの眼が厳しくなった。彼女は赤羽か王子かの生まれ。気風よし。小股の切れた感じで、さぞいい女になるだろう。カメラを持っていたのだから、彼女のスタスタと歩き去る後姿も撮っておけばよかったと思った。彼女らの世代、今より日本が良い時代になりますように~。

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