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グレタさんと日本の麻生副総理 [異常気象と地球温暖化]

gretahon.jpg まずグレタ・トゥーンベリさんの演説を以下にまとめる。

 IPCC最新報告書は、2030年頃までに必要な変化を起こさないと、私たちは引き返せる時点を越えてしまい、人間にはコントロール不能な、あと戻りできない連鎖反応が起こって破滅に向かうだろうと予測しています(ポイント・オブ・ノーリターン)。

 それを避けるには、2020年までに二酸化炭素の排出量を急速に減らす必要(50%以上が削減されるような変化)があります。しかしながら世界における二酸化炭素の排出量は依然として増加しているにも関わらず、緊急事態に対して未だに表面的な対策しか行われていません。

 加えて、この予測には北極の永久凍土が急速に溶けた場合に放出される強力なメタンガスなどは計算に入っていません。温暖化を1.5度~2度まで抑えられる可能性があるのは、2020年までに二酸化炭素排出量を急降下できた場合だけです。


 以上に比して、去る10月25日の麻生太郎副総裁の北海道での選挙演説は~「北海道のコメがうまくなったのは、温度が上がったからだ。温暖化というと悪いことしか書いていないが、いいことがある」。

 大バカ副総理の発言が、環境 NGOで作る「気候行動ネットワーク」(CAN)に届いていたら、日本は大バカ大賞、こんな図柄の大賞を受賞していたかもしれない。

 れいわ新選組・山本太郎代表「もうすでに万死に値する人間。政治の世界から一刻も身を引くべき人間である」。COP26で国際環境NGO「ジャーマンウォッチ」は、日本の環境対策は45位。 


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新宿低空ジェット機とお嬢さん [異常気象と地球温暖化]

jyukujet_1.jpg 1週間前の新宿ウォーキング。韓国観光客の姿が消え、今は中国観光客も消えた繁華街だが妙に騒がしい。街に響く重低音だと気付いた。伊勢丹上空を10分程の間に低空ジェット機が次々に飛んでいたた。「新羽田ルート」3月29日からの運用に向けた実機試験らしい。

 そして2月11日。夕餉食材を購って「スーパー」を出ると、ゴォーッと重低音。見上げると夕陽を浴びた低空ジェット機。買物袋を家に置き「おまいさんも好きねぇ」の声を背に、一眼レフを手に家を飛び出した。明治通りを職安通りの交差点へ。ひっきりなしにジェット機が飛んでいた。

 交差点角でカメラを構えた。その横にピタリと素敵な若い女性。「んったくもう、あのジェット機に頭きたのに、誰も関心を示さない。低空ジェットと無関心な人々に怒りつつ新宿から歩いてきたら、オジさんが写真を撮っていた。あれはオリンピックのためでしょ。そんなものやらなきゃいいのにねぇ」

 マシンガンのように喋り出した。あたしは「騒音だけじゃなく、排ガスも撒き散らしてんだ。オリンピックの〝スムーズビズ〟のポスターを見たかい。世界中から東京へジェット機が集中する絵柄にゾッとしたよ」「あたしはオリンピックの時には北海道へ行っていたいと思ったんだけど、お金がないから~」

 「おぉ、俺はこの前のオリンピックの時に、東京脱出して伊豆で遊んでいた」「ええっ、1964年の」「二十歳だったかなぁ」。共にマスク姿。女の子は帽子にマスク。互いに容貌わからぬまま話は続いた。「あたしは、このまま池袋まで歩くの」「おぉ、俺も昔に歩き過ぎて踵を痛めたことがあるから、ほどほどがいいぞ」「うん、あたしもちょっとヘルニアがあるかなぁ」

gasujet_1.jpg マシンガントークは続く。「でね、あたし、ウォーキングで銭湯巡りするのが趣味なんだ」。彼女が訪ねたあちこちの銭湯の話をする。あたしは若い頃のPR会社勤務時代に、銭湯を盛り上げるキャンペーンに携わったことがある。「銭湯はその頃からずっと頑張っているんだ」と話した。

 「うわぁ、PR会社って興味あるなぁ。それにしてもさぁ、日本の政治家って何を考えてんだかさっぱりわかんないよ。シラ~っと平気でウソをつくし」「ご飯論法か。若いのに政治に関心があるのはえらいなぁ」「んと、オリンピックに金使うなら、もっと他に使わなきゃいけないところがいっぱいあるだろって~」

 歩き出しても話は止まらない。「俺んち、そこを曲がった所だから。歩くの、余り無理をするなよ」「うん、ありがとう」「さようなら」。

 家に戻ってバアさんに「今、若いいい女に逢ったぞ」と云ったらバアさんの眼が厳しくなった。彼女は赤羽か王子かの生まれ。気風よし。小股の切れた感じで、さぞいい女になるだろう。カメラを持っていたのだから、彼女のスタスタと歩き去る後姿も撮っておけばよかったと思った。彼女らの世代、今より日本が良い時代になりますように~。

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CO2処理技術は2009年で~(10) [異常気象と地球温暖化]

ondankasyotai_1.jpg 11年も前の2009年9月刊のウォレス・ブロッカー/ロバート・クンジク著『CO2と温暖化の正体』最終の14章「大気を浄化する」、15章「炭素の処分」、16章「気候の修復」が、この辺の取り組みを詳細に紹介している。

 ウォレスは米国の地球科学者(2019年2月、87歳で逝去)。氏の大気中CO2濃度上昇と地球温暖化が比例するとの指摘によって「地球温暖化」なる言葉が使われるようになった。

 ちなみに大気中CO2濃度は「ppm=100万分の1」で計測。産業革命前は約280ppmで、2013年には396ppmで約40%増。何の対策もしないと2100年で1000ppm前後になって気温は4度前後上昇する予測。

 ブロッカーは1991年に「宇宙船地球号(8人が暮す12140㎡の夢想的実験場)」施設長より、CO2を水酸化ナトリウムと反応させてCO2除去装置を設置するも、外気よりCO2が8倍になったことへの対策を求められた。その時に彼の基で働く大学院生が、その装置より温室土台コンクリートがCO2を吸収していることを発見。

 ブロッカーは、理論物理学者クラウスを自分のコロムビア大へ招聘し「大気からCO2を経済的な方法で回収」をテーマに研究させ、技術者ライトと組ませた。彼らは500万ドルのベンチャー投資を得て、CO2浄化装置の試作を開始。

 2009年、彼らはガス化複合発電(IGCC)を完成させ、米国やスウェーデンの電力会社がパイロット・プラントを建設。だがCO2排出は電力発電の他に運輸系(自動車、船、飛行機)の排出量が1/3で、住宅・商業施設の暖房系から10%排出。世界中で化石燃料から排出されるCO2の1年間量は29ギガトン。さらなる高効率な技術が求められた。

 次に試みられたのがCO2を海底に注入蓄積する方法。水深3000mより深く隔離すれば、CO2は水圧で海底に沈む。しかしこの実験は環境保護派が反対。だが同様技術はノルウェーの石油会社が1996年から実施。これはCO2排出1トン当たり50ドル課税で年間5000万ドルを節約するためで、北海の天然ガス田の海底下800mの地層に年間100万トンのCO2を注入。

 また米国の石油会社でも、原油を余すことなく吸い上げるためにCO2を注入する技術を開発し、年間700トンを注入。そのために同社は年間500万トンものCO 排出会社から過去10年間にわたってCO2を購入。またアイスランド政府は、玄武岩層の塩水層(800m)にCO2を注入隔離するプロジェクトを開始など~。

 重ねて記すが、これらはすでに2009年刊の書で紹介されていること。それでも「真の解決策」に至っていないことに注目です。「広く募っていても、募集はしていない」とシラ~ッと答弁する首相の基の「ゼロエミッション国際共同研究センター」(初代センター長はノーベル賞の吉野氏)は、果たしてどんな成果が出せるのでしょうか。

 グレタさんの抗議~「IPCCによる最もよい試算は、気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%あります。その実現には2018年1月1日時点で、放出できるのは残り420ギガトン。現在では残り350ギガトン未満です。今後の8年半のうち許容できるCO2排出量を越えてしまう。~なのに、あなた方が話すことはお金、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね」

 以上10回で区切ります。以後、新たに気付いたこと、お勉強したことがあり次第、このカテゴリーに追記して行きます。

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経産省のTCFD、ICEF、RD20って何だ?(9) [異常気象と地球温暖化]

yujinie.jpg_1.jpg 写真と駄句「破壊力異常がフツーの台風ぞ」。前項は2018年の台風24号による倒木写真で、今回は2019年9月の台風15号。千葉県の被害甚大だが、写真は伊豆大島・友人の壊された手作りロッジ。今や異常気象がフツー。

 さて、前項で記した経産省の「TCFDサミットって何だ」。昨年10月に経産省が設立。時の大臣=公職選挙法違反の疑いで雲隠れした菅原一秀。「ICEFって何だ」。2014年発足の日本主導「世界エネルギー・環境イノベーションフォーラム」。第6回総会が昨年10月に約70の国・地域からエネルギー・環境分野の有識者千名余が参加とか。「RD20って何だ」。産総研主催によるG20各国が有する知見を融合しCO2大幅削減に向けた非連続なイノベーション創出に繋げるためのクリーンエネルギー技術分野における研究機関のリーダーを集めた会議とか。

 政治の世界は魑魅魍魎。何がなんだかわからない。前項で記した「エネルギー総合工学研究所~国からの不正受給2億6500万円返還」もあり。天下り機関か? 今の為政者らが余りに信用できぬゆえ、何事も素直に信じられない哀しさよ~です。

 別角度から「二酸化炭素を取り出す技術」についてを調べてみる。ネット検索すると様々なニュースがヒットした。2019年12月4日「中国新聞」。「高効率石炭火電でCO2除去技術確立へ」の記事。概要は~中国電力と電源開発が出資の「大崎クールジェン(株)」(広島県大崎)が、石炭を発電燃料とする際に発生のCO2を取り除く技術=回収率90%以上を目指して、2020年度末までにプラントの信頼性、経済性を確認する段階に入った。経産省は同社敷地内にCO2再利用の研究施設を置くことを検討。

 さらに1019年10月21日の「室蘭民報社」。通産省依託の国家プロジェクト「日本CCS調査」で、苫小牧沖でCO2を地中に封じ込める実証試験が新ステージに入った。今月下旬に圧入目標の30万トンに達したとの報。~とまぁ、あちこちで二酸化炭素削減、封じ込めの技術研究・実証実験が進行しているらしいことがわかった。

 果たして日本が「2050年までにCO2排出量ゼロ」を先導、いや、その一助に、はたまた期限に間に合いましょうか。今年1月29日設立の「ゼロエミッション国際共同研究センター」(初代センター長にノーベル化学賞受賞の吉野彰氏が就任)は、それら研究・技術開発を綜合する機関なのでしょうか?

 それにしても我が国の首相は「ひろく募ってはいるが、募集はしていない」とシラッと言い放つ不誠実な方。後で平気な顔で(二酸化炭素を)「減らすとは言ったが、削減するとは言っていない」と言い出しかねず、それが罷り通る変な国に成り下がっている。

 すでに小生は二酸化炭素の分離・始末の研究・開発が並大抵のことではないことを11年前の2009年刊の書『CO2と温暖化』で読み知っている。次回は同書の、その部分を紹介してみたい。

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吉野彰氏がセンター長に就任(8) [異常気象と地球温暖化]

taifu_1.jpg 写真+駄句「かつてなき台風の牙無残かな」(平成30年・2018年の台風24号による倒木)。

 今回は最近の報道より、日本の「二酸化酸素除去」の取り組みを探る。1月17日に一瞬気になるニュース映像。詳細知りたくも翌日の新聞報道なし。ネット検索で同映像は総理官邸とか。その内容は~

 政府は二酸化炭素の削減につながる新しい技術の開発拠点を作り、その責任者にノーベル化学賞・受賞の吉野彰氏を任命。安倍首相の例の人気取りパブのひとつで、マスコミも無視したか。

 後日、経済産業省の「産業技術総合研究所(産総研)」の1月7日のニュースリリース他を見た。詳細は次の通り~ 低炭素社会に向け産総研が「ゼロエミッション国際共同研究センター」を1月29日に設立。その初代センター長に吉野彰氏が就任。

taifu24go.jpg 産総研つくばセンター研究所を約90億円で改修して研究拠点にする。他に臨海副都心センター、福島再生可能エネルギー研究所、関西センターを有機的に結び付ける。当初は産総研の研究書100人ほどで立ち上げ、その後に海外からの研究者を迎え300~400人体制へ。「再生可能エネルギー」分野、「カーボンリサイクル」分野、「次世代エネルギーシステム」分野を設ける。

 29日に上記開設を日経ネットニュースが報じていた。概要は~ 産総研は29日、低炭素社会の実現に必要な革新技術を研究するセンターの設立記念シンポジウムを開催。中鉢理事長は「各国との強力な連携体制のもと研究が加速され、地球規模の環境問題解決に貢献することを願う」と挨拶。

 シンポジウム終了後の式典で、センター長就任のノーベル化学賞受賞・吉野彰(旭化成名誉フェロー)が挨拶。「環境性と経済性と利便性を同時に満たすのは非常に難しいが、可能にするのがイノベーションだ」と強調。式典には安倍首相や経産相も出席。

 もう少し詳しく知りたく、再び「産総研」サイトを閲覧。~昨年10月9日、首相官邸で安倍総理主催の「グリーンイノベーションサミット」が開催。今週開催の一連の国際会議(TCFDサミット、ICEF、RD20)の代表者が集まり、脱炭素社会実現に向け、非連続なイノベーションを加速化してゆくための意見交換が行われた。サミット終了後、国内外の有識者約200人を集めたレセプションを開催。

 どうも彼らのやることは魑魅魍魎的な動きで、よくわからない。ゼロエミッション(zero emission)=環境汚染、気候混乱を生む廃棄物を排出しない仕組み)。経産省のTCFD、ICEF、RD20って何だ。例の「天下り」の新たな団体? 1月25日の新聞には「国からの不正受給2億6500万円 エネルギー総合工学研究所」の報道があったばかりで~。

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Tipping Pointに至らぬ前に~(7) [異常気象と地球温暖化]

yukigakoitoume1_1.jpg 一昨日の散歩写真と駄句「雪囲ひ用も足さずに紅が満ち」

 さて(6)で最近の新聞から各国の「異常気象と地球温暖化」対策、EUの「温室効果ガスゼロへ122兆円投資」計画、そしてこの機会に利を得んと動く国々も紹介した。

 ここで再び「IPCC第5次報告」及び「パリ協定」を確認。参考は亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』。2100年までに産業革命前からの気温平均2度上昇、または2度未満に抑えるべく、2050年(30年後)までに温室効果ガス排出量を2010年比の40~70%削減、または2100年まで排出量をゼロかマイナスにすべきの警告、協定が結ばれた。

 二酸化炭素の累計総排出量と世界平均地上気温変化はほぼ比例で、2度上昇を抑えるには二酸化炭素累計総排出量を7900億トン以下に抑える必要があるらしい。「1970~2011年間の排出量が約5150億トン」。1年間の排出量が97億トン(2012年の例)×30年間=1910億トン。5150億トン+1910億トン=8060億トンで、目標の7900億トンを突破です。これを破って2度以上の上昇を許すと「ティッピング・ポイント(Tipping Point=それまで小さく変化してきたものが、突然に急激変化を始めるポイント。人の手に負えなくなるポイント)」を超えてしまう恐れあり。グレタさんの悲痛の叫びもそこにある。

 では、何をしたら良いか? ジオエンジニアリング(地球工学・気象工学)の領域で「太陽放射管理」と「二酸化炭素除去」法あり。「太陽放射管理」は太陽エネルギー吸収を小さくする法で、それで地球温度上昇を止めても、大気中の二酸化炭素が増え続ければ意味もない。やはり策は「二酸化炭素除去」になる。これには「自然界の炭素吸収を増やす法」と「化学的方法」の2方法あり。

 「自然界の炭素吸収増」には、植林~森林の二酸化炭素吸収の「グリーンカーボン」増と、鉄散布で海洋肥沃化(鉄分不足の海域に鉄分を足して)して植物プランクトン・海藻・海草の光合成による二酸化炭素吸収を海域で貯蓄する「ブルーカーボン」増の2法。第3は「バイオマスエネルギー利用(生物から生まれた資源=間伐材・家畜排泄物・食品廃棄物など)」。

 そしていま最も注目が「化学的手段による二酸化炭素除去」。次回は最近の新聞から、その日本の取り組みを探ってみます。

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最新の新聞海外報道に注目(6) [異常気象と地球温暖化]

urimono_1.jpg 1月16日の東京新聞のニューヨーク記者報で「昨年の世界平均温度2番目の高さ~温暖化の傾向裏付け」の題字。以下その内容~ 米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)は15日に、2019年の世界の平均気温が過去10年間で16年に次ぎ2番目に高く、10~19年は「史上最も暑い10年間だった」と発表。

 ~海洋に蓄積された熱量は過去最高で、長期的な温暖化傾向とともに海面上昇が助長される可能性を指摘。NOAAは、19年の平均温度が20世紀の平均より0.95度上回わり、産業革命前(1890~1900)の平均より1.15度高くなったと指摘。NASAは二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が増えたのが主因とみて、これは偶然の出来事ではないと指摘。

 こう記している今朝の新聞にも、新型肺炎や首相の〝うそ発言〟などの記事に埋もれるように「フランス暖冬26度超」の報あり。~南東部フレジュスの最高気温が、これまでの最高気温1990年2月23日の23度を上回った。仏環境省は「欧州各地に記録的な高気温が広がって、長期的に生物多様性への影響が懸念」とあった。

 そして1月15日の新聞には「温室ガスゼロへ122兆円投資」の記事あり。以下、その概要~ 欧州連合(EU)欧州委員会は14日、EU域内で温室効果ガス排出を2050年に実質ゼロにする目標に向けて経済・社会構造を転換していくため、今後10年で少なくとも1兆ユーロ(約122兆円)を投資する計画だと発表。その約半分はEU予算、残りは加盟国や公的機関、民間などで拠出するとか。

 なんだか切羽つまって来た感じですね。また「異常気象・地球温暖化」には巨額がつきまとうゆえ〝えげつないビジネス〟も生まれる。マッケンジー・ファンク著『地球を「売り物」にする人たち』は、そこに群がる投資家・金融・保険会社の動き、浮島を売り込む建築家、飲料水ビジネス、氷が解けた北極海航路とその領有権を狙う国、氷が解けた地下資源を狙う国、水や農地利権を狙う企業~と営利を貪ろうとする有象無象のレポート。

 1週間前の新聞にも、トランプ大統領が氷が解け出した「グリーンランドを買いたい」発言が注目を浴びたとの紹介があって、ロシアが新航路開拓や天然資源採掘に今後15兆ルーブル(約25兆9千億円)の投資を見込み、軍備強化も目指しているの記事があった。

 以上、昨今新聞の海外情報でした。次に日本の「異常気象・地球温暖化」関係の報道をアップしてみましょう。

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「アンチ温暖化」の書(5) [異常気象と地球温暖化]

anti4_1.jpg 素人の「異常気象と地球温暖化」お勉強は、本に頼る以外にない。だが読んだ本によって偏った認識を持たぬよう、より多くの著作を読む必要あり。このテーマは冒頭(1)通り、実に様々な角度からの書ありで、どの本を読んだらいいのかに迷います。

 まず吉野正敏著『地球温暖化時代の異常気象』を手にした。平成22年(2010)刊。当時の異常気象を次々に紹介だが、やはり最新データによる書を読みたい。「地球温暖化問題の概史」を記したのもそのためで、各書発行年から、どんな状況下で書かれたかをチェックしたくてのこと。ついでに云えば、1980年代の「環境問題書」は、概ね〝公害テーマ〟になる。

 武田邦彦著『科学者が読み解く環境問題』(2009年刊)、『日本人はなぜ環境問題にだまされるのか』(2008年刊)を読んだ。「京都議定書」採決が平成9年(1997)。平成20~24年(2008~2012)の間に平成元年より5%削減が目的にされた。その頃に盛んに「アンチ温暖化論」を展開したのが氏の著作群。他に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』『環境問題が日本を滅ぼす』『偽善エコロジー』『誰も触れない「環境問題」のウソ』『ウソだらけ間違いだらけの環境問題』など次々に出版。

 小生が知る氏は、テレビの「未確認物体番組」でそれら信奉者を〝やり込める〟ちょっと変なオジさん科学者の印象。ここは氏の『日本人はなぜ環境問題にだまされるのか』より、その主張を簡単に紹介してみる。妙に説得させる部分もあって面白かったが~。

 CO2が増えて温暖化~に最も影響を受けない島国の日本が最も熱心だという不思議。間違った政府広報、産業界との密約、御用学者、NHKなどの誤報。温室効果ガスは重いガスで対流圏で激しく動いていて、地球を毛布のように覆ってはいない。

 昭和53年(1978)前までは「地球寒冷化」が心配だった。太陽熱や反射は主に水蒸気・雲で妨げられていてCO2の影響は極めて微細。地球温暖化は太陽活動によるもので、それによる海水温上昇で海水に融けていたCO2が大気へ分離した。

 地球はいま間氷期で暖かい時代。100年で0.3度上昇。発表される平均温度は正確なデータではない。温度が少し上がれば、人にも生物にも良い環境になる。NHKが「2100年に最大6.4度上昇する」と謝った報道をした。藩国連総長が南極視察で氷が融ける映像を見て、氷がなくなっていると報じたが、海に接した氷が解けるのは普通のこと。「アルキメデスの法則」で氷(固体)が解けても海面上昇はあり得ない。またホッキョクグマ数も減っていない。海に沈むツバルも嘘で、1892年の記録に「満潮になれば無数の穴から海水が湧き出ていた」と記されていたなどを指摘。

 「京都議定書」で真正直に取り組んだのは日本だけ。損をした。他国は見かけだけの削減で実際は増加枠を獲得した。その日本では官僚機関と産業界の密約あり。2009年の鳩山首相「2020年までに1990年比で温室効果ガス25%削減構想」に怒り爆発の著作群、論調のようにも感じられるが、氏による著作群によって、このテーマに日本人が〝トンと無関心〟になった一因もあろうかと思われるが、ここは皆さんの判断にお任せ~。次に、今年に入ってからの「新聞報道」の数々を拾ってみたい。

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パリ協定からCOP25まで(4) [異常気象と地球温暖化]

kousouun_1.jpg 写真+駄句「温暖化止めてみせると高層雲」。太陽放射の約30%を雲などが遮っている。温暖化を止めるジオエンジニアリングのひとつに「太陽放射管理」も検討されているとか。

 さて前回の続き。平成25年(2013)末にストックホルムで「IPCC第5次報告」が提出された。亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』にまとめられていたので、それを参考に概要まとめ。

 温室効果ガスは、1750年を基準にして2011年の二酸化炭素は約40%増えた。その後の推移をスーパーコンピュータ駆使で①低位安定化シナリオ(厳しい緩和によって気温上昇を2度以下に抑え、2100年までにピークを抑え、その後に減少するシナリオ)、②中位安定化シナリオ、③高位安定化シナリオ、④高位参考シナリオ(排出を抑制しない成り行きシナリオ)が提示された。

 気温上昇についても4シナリオ想定で、2050年には平均1度~2度の上昇。④高位参考シナリオ(何も抑制せず)では4度上昇。北極域が最も昇温して雪氷が激滅。熱帯域が広がり、亜熱帯の乾燥帯が拡大。世界平均降水量が増加。海洋水の酸化、海面水位上昇を警告。詳しくは環境省サイト「IPCC第5次評価報告書の概要」を検索してお読み下さい。

 そして平成27年(2015)11月のCOP21の「パリ協定」へ。「京都議定書」から実に18年振り。2大排出国の中国、米国も批准。目的は産業革命前から平均気温上昇「1.5度未満」を目指した。日本は2030年までに2013年水準より温室効果ガス排出量を26%削減。2020年までに自然エネルギー発電量を8%に引き上げるとした。

kitocyo_1.jpg だが2016年にトランプ大統領が協定から脱退表明(2020年11月の脱退可能)。グレタさんが怒るのも納得です。そして2019年マドリードで「COP25」開催。梶山経済産業相(雲隠れ菅原相の後任大臣)が火力発電の維持方針を語り、小泉進次郎環境相も新たな施策を言えずで、NPO「気象行動ネットワーク」から栄光の2度目の「化石賞」を受賞2011年の福島第一原発事故で1度目を受賞)。

 今年1月21日のスイスでの世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が世界各国・地域の政官財界3千人参加で「景気や気候変動問題」をテーマに開催。トランプ大統領は「米国第一主義」(自分勝手な人に地球問題を考える頭はなし)で得た成果を自慢げに語り、グレタさんは「気候対策は何も成し遂げられていない」と怒った(写真は1月21日の新聞記事)。そして黒田日銀総裁は「気候変動リスクは日本にとって極めて現実的で、排出削減にさらに貢献する必要がある」と語ったとか。以上が「異常気象・地球温暖化」関連史の私流概略まとめ。

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公害から「パリ協定」まで(3) [異常気象と地球温暖化]

ondankasinsyo_1.jpg 図書館で借りた5冊の他に、メモ記入可の本も欲しく、高田馬場の古本街で次の新書を入手した。1988年度毎日出版文化賞の石弘之著『地球環境報告』(岩波新書)、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(岩波新書)、澤昭裕著『エコ亡国論』(新潮新書)、武田邦彦著『日本人はなぜ環境問題にだまされるのか』(PHP新書)。これら書も加えて「地球温暖化問題史」を私流でまとめてみる。

 昭和47年(1972)6月5日、スウェーデンで世界初の大規模な政府間会合「国際連合人間環境会議」(ストックホルム会議)が開催。「人間環境宣言及び環境国際行動計画」が採択。これを実行するために国連に環境問題を専門的に扱う「国際連合環境計画(UNEP)」が設立。6月5日が「環境の日」になった。

 ~昭和55年(1980)までの環境問題は主に「公害」テーマ。大気汚染、水質・土壌汚染、悪臭、地盤沈下など。日本の具体例を挙げると「四日市ぜん息」、熊本・新潟の「水俣病」(チッソ)、ダイオキシン(塩素を含む物の燃焼で発生する毒性)、神通川流域の「イタイイタイ病」(カドミウム)、オキシダント(酸化力の強い物質で光化学スモッグ)、酸性雨など~。

ondankazu_1.jpg 1980年代になると「地球温暖化・オゾン層破壊」が注目されて「気象変動に関する科学的知見整理のための国際会議」が昭和60年(1985)に開催。昭和63年(1988)に国際的な専門家でつくる地球温暖化についての科学的な研究の収集・整理のために国際連合環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって政府間機構「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が設立。

 IPCCは数年おきに地球温暖化に関する世界数千人の専門家による科学的知見を集約の「評価報告書」(3部門)を提出。第1作業部会(WG1 )=気象システム及び気候変動について。第2部作業部会(WG2)=生態系、社会、経済などの各分野における影響及び適応策について。第3作業部会(WG3)=気候変動に対する対策についての評価。現在までに第5次報告書が提出されている。

 一方、先進国が自主的に温室効果ガスを削減するために、平成7年(1995)春に「気候変動枠組条約国会議(COP)」1回目がベルリンで開催。平成9年〈1997)12月の第3回(COP3)で、温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書」を採択。各先進国が平成20~24年〈2008~2012)の5年平均で、平成2年(1990)に比し日本6%、米国7%、EU8%が定められたが、その技術問題、地球環境(公共財に対する外交間題)、途上国に削減義務なし、ペナルティ問題、米国脱退、ロシアがゴネるなど問題山積で足並み揃わず。

 平成21年(2009)、コペンハーゲンでの「国連気候変動首相会議」で鳩山首相が2020年までに温室効果ガスを1900年比25%を表明。日本各界から懸念・避難殺到。

 どうにか形になったのが平成25年(2013)末の「IPCC第5次報告」の余りに厳しい報告を経ての、平成27年(2015)11月のCOP21「パリ協定」だった。云うまでもまく各国足並み揃わぬ間に、地球環境悪化はさらに酷くなっていた。(続く)

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温室効果気体とは?(2) [異常気象と地球温暖化]

kisyo5satu_1.jpg まずは「異常気象と地球温暖化」の概要からお勉強。参考は日本気象学会・地球環境問題委員会(編)『地球温暖化~そのメカニズムと不確実性』(2014年刊)」、亀頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』(2015年刊)より。

 昨今、異常気象(30年間に1回以下の頻度で発生する現象)が多発。それは人間活動によって二酸化炭素などの「温室効果気体」が大気中に増えたことが主原因と指摘される。

 これは昭和63年(1988)に始まった~気象変化に関する科学的な判断材料の提供を目的とする「気象変動に関する政府間パネル(IPCC)」の、これまで5次(第5次報告は平成25年・2013~翌年にかけて3部会が報告。会場:スウェーデン・ストックホルム)の報告で明らかにされている。

 主な「温室効果気体」は二酸化酸素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N20)。これら気体は元来、自然の力で循環していた。二酸化炭素は光合成と呼吸・分解によって大気~陸上生物圏の間で、またその分圧差に応じて大気~大洋の間で交換されてきた。

 メタンは湿地、海洋、森林火災などから発生し、対流圏での水酸基ラジカル(OH)との反応、土壌による吸収、成層圏のOH、塩素原子、励起酸素原子などと反応して消滅。一酸化二窒素は土壌と海洋の微生物の活動、大気中のアンモニアの酸化などによって発生し、成層圏に到達後は紫外線による光分解や励起酸素原子との反応によって消滅。

 これらはエルニーニョ現象、火山噴火、氷期~間氷期サイクルなどで環境バランスが崩れた場合を除き、上記システムによって一定に保たれてきた。しかし18世紀後半の「産業革命」を契機にした人間活動の活発化で、大量の温室効果気体が増えた。

 二酸化炭素は、化石燃料燃焼や森林破壊などで大気に蓄積された。メタンは、反芻動物や天然ガスの採掘や輸送中の漏洩、石炭採掘、埋め立て、バイオマス燃料などによって増えた。一酸化二窒素は化石燃料燃焼、工業活動、バイオマス燃料、河川や海洋への窒素化合物の流出で増加した。

 二酸化炭素濃度は1950年代から調査が行われ、その後も様々な調査方法によるデータによって化石燃料燃焼によっての増加が認められ、メタンも従来より約3倍に増えたとされた。

 その結果、地上温度はこの100年通算で右上がり傾向。調査不確定要素を残すも明治13年(1880)~平成24年(2012)で0.85度上昇。南半球に比べて北半球の上昇率が大(ヒートアイランドの影響もあるも、IPCCデータは大都市を含まない)。

 海水温は、20世紀初頭から現在まで0.7度ほど上昇。海洋内部も水温上昇が明らかにされた。また熱帯の海面上昇や偏西風蛇行などが関わって異常気象が多発。次は「異常気象・地球温暖化」に関する歴史を振り返ってみる。写真は図書館で借りた本。

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今年は「異常気象と地球温暖化」のお勉強(1) [異常気象と地球温暖化]

poster_1.jpg 昨年12月に「飛行機雲の尾流雲にグレタさんの怒り」をアップした。飛行機雲=炭素系排ガス。異常気象と地球温暖化の原因のひとつで「我が国は、その辺にトンと無頓着」と記した。

 小生スマホに副都心線で写した、こんな写真があった。2020年夏 世界が東京に押し寄せる」と題し「五輪中に1千万人以上の人々が来日。道路や公共交通がスムーズに流れるようにご協力をお願いします=スムーズビズ」のポスターだが、小生はこの図柄にギョッとした。世界中のジェット機が東京に排ガスを撒き散らしに来る図に見えたんです。

 スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが「飛行機に乗らぬ主義」もそれ故で、昨年9月の国連本部での「気候行動サミット」演説のためにもヨットで渡米した。このポスターから、グレタさんの演説から、今年は「異常気象と地球温暖化」について、ちょっとお勉強してみましょと思った次第。

 まずは手軽に読める新書で~。そう思って新宿紀伊国屋・新書コーナーへ。「あらぁ、何と云うことでしょう、1冊もない」 店員に訊けば4階「環境コーナー」へどうぞ。そこは昨年に「雲」本を探したコーナーの隣で、難しく高価な書籍がたくさん並んでいた。さて、どの書を購読するか? 「アンチ環境問題」系の書、60年代の「公害」の書、「環境ビジネス」の書、環境系スキャンダル(クライメートゲート事件)の書もあり。

 ひと口に「異常気象・地球温暖化」と云えども、その捉える角度の余りの多彩さにたじろいだ。「雲」本は写真大判の高価本が多くて購うのを諦めて図書館本にしたが、今回もまずは図書館本でお勉強と相成った。

 図書館で吉野正敏著『地球温暖化時代の異常気象』、武田邦彦著『科学者が読み解く環境問題』、マッケンジー・ファンク著『地球を「売り物」にする人たち』、ウォレス・S・ブロカー/ロバート・クンジク著『CO2と温暖化の正体』、日本気象学会・地球環境問題委員会編『地球温暖化~そのメカニズムと不確実性』を借りた。

 この5冊各々が同テーマながら取り組む角度が全く違っていた。「異常気象と地球温暖化」の世界を覗こうとすれば端から高い壁。この辺も「日本ではトンと無頓着」の一因なのかも知れない。「異常気象と地球温暖化」のお勉強は、相当に手強そうです。

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