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浜田義一郎著「大田南畝」 [大田南畝(蜀山人)関連]

hamadananpo_1.jpg 吉川弘文館の人物叢書で浜田義一郎著「大田南畝」。この種の本は何冊か読んでいて、概ね同内容とわかっているも、好きゆえに読まずにいられぬ。昭和38年刊で平成6年の新装版。

 「はしがき」で著者は…大田南畝は江戸文化を考える上で、無視できぬ存在と書き出している。然り、元禄文化が上方中心なら、江戸文化は化政期(文化・文政期1804~1829)が揺籃で、大田南畝はまさに先達だろう。「人生の三楽は読書と好色と飲酒」なる名言を放った人物だけにエピソード尽きぬ波乱人生。10代から華麗な文人交遊を始め75歳で没。長きにわたって時代に顔を出している。従って時代小説の格好テーマで多くの作家が書いている。小説の他に、「大田南畝と狂歌・戯作」の書が多く、「大田南畝と山東京伝」、「大田南畝と平賀源内」があり、書こうとすれば「大田南畝と版元(蔦屋重三郎他)」、「大田南畝と絵師」、「大田南畝と商人群像」、「大田南畝の経済学」、「大田南畝と江戸料理」(推理小説があった)、「大田南畝と江戸名所」…と何でもいけそう。かくして読んでしまった。

 ※多彩な方に多彩な角度でとりあげられるのは永井荷風も同じ存在。“荷風と永代橋”の係わりだけに執着した片手で持てぬほどぶ厚い書(草森紳一「荷風の永代橋」)に驚いたこともあるが、荷風を建築・都市批評家と捉えた「荷風と明治の都市景観」なる書もあった。目下はこれを読み始めていて実におもしろい。


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