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子規庵のじゃがたら雀異邦鳥 [私の探鳥記]

sikiann1_1_1.jpg 根岸の「子規庵」に区切りをつけようと思ったが、ひとつ引っかかった。子規が庭の「追込籠」で飼っていた鳥のこと。まずは「青空文庫」でも読める「病牀苦語」の一部を要約・・・。「或人の庭に捨ててあった大鳥籠は、土地に据える円錐形の高さ一丈ほどのもの。これを窓際に設けた。キンパラ二羽、ジャガタラ雀一羽、鶸(ひわ)とキンカ鳥の各番(つがい)、カナリア三、四羽」を入れた。「仰臥漫録」にも「じゃがたら雀が籠からぬけて糸瓜棚松の枝など飛びめぐるをみつける」などの記述あり。

 あたしは鳥撮りだから、知らぬ鳥が気になる。ネット検索すると「雀をジャガタラ雀と呼んで、子規の雀を愛しむ心がみえてくる」なる文章があったりして、「ちょ・ちょっと待ってくれよ」と思う。いくら子規でも、雀を「ジャガタラ雀」とは言わぬだろう。きっとそういう名の鳥がいたに違いない。野鳥サイトを巡れば沖縄で「ジャガタラ雀」を撮っている方がいた。ジャカタル雀、キンカ鳥、キンパラ共に主に東南アジアのスズメ目カエデチョウ科。

 まずキンカ鳥はオーストラリアやインドネシア原産で各国に移入。♂の嘴が鮮やかな赤、喉から脇腹がゼブラ模様。英名はゼブラフィンチ。キンピラ(金腹)は黒の頭・胸で腹は赤茶色。シマキンパラも同じくアジア分布で、胸から腹に鱗(網)模様がある。この模様がさまざまで亜種多彩。インドネシアの亜種が「ジャカルタ雀、アミハラ」などと呼ばれていた。子規の庭には、明治の頃に盛んだった輸入鳥が囀っていたことになる。

 子規は「仰臥漫録」で渡り鳥と記しているが、「留鳥」だろう。日本では「輸入鳥」で、「ジャガタラ雀」は籠抜けして沖縄で繁殖している。同じくアジアからの外来鳥ガビチョウ、ソウシチョウは東京でも繁殖、生き残っている。


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