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将門や神田祭りは江戸の意気 [くずし字入門]

kandamyojin1_1.jpg 「絵本江戸土産」(重長版)下巻は「目黒瀑布」から「神田明神」へ。目黒・大鳥神社、目黒不動で日本武尊(やまとたける)が出てきたが、「神田明神」と云えば平将門。「江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」。その神田明神に祀られるのが平将門。弱気を助け、強きをくじく。朝廷からの重い負担に耐えてきた関東、坂東武士のヒーロー。将門は東国独立で「朝敵」となって殺された。坂東武士の英雄ゆえ、太田道灌から徳川家らに崇敬され続けて神田明神は江戸総鎮守になった。神田祭りは江戸の意気。その魂は平将門。

 

 だが明治維新の絶対天皇制で、再び「朝敵」。将門は神田明神の神から除かれた。怒ったのは江戸っ子だ。そんな薩長の野郎はクソ食らってんで、平将門がいない神田明神を無視。一銭の賽銭も集まらなくなったとか。終戦で絶対天皇が「人間」に戻って、再び平将門が盛り返した。ってことで神田祭りには、平将門の意気を受け継いだ江戸っ子の魂が込められている。

 

kandamyujin_1.jpg 「おまいさん、神田明神に行くのかえ。先日は目黒の黒飴を忘れたんだから、こんどは神田の甘酒を忘れないで買ってきておくれよ」。

 

 釈文は…。粤(ここ)に天慶の将門亡びて(940年没)。其霊たゝりをなせしを。遊行上人。柴崎村(現・大手町。将門の首塚の辺り)に祭て。その灵(れい)をしづめ。神田明神というとかや。殊に九月十五日祭礼なれば。参詣おびたゝし。その上神田辺の産土ゆへに。貴賤群集して。社中寸地もなく、見世もの土弓。酒家茶店。菜飯ちゃ屋。祇園豆腐の見世。軒をならべ繁昌いはむかたなし

「祇園豆腐」は豆腐を平たく切って串焼きし、味噌ダレをつけたもの。「菜飯」は葉野菜を入れ飯。「土弓」は弓の遊び。「産土」は産まれた地の守護神。鎮守神はその地の守護神。


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