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東電とレンガ高架橋の狭間で [政経お勉強]

toukyoudenryoku_1.jpg 自転車で新橋辺りを走っていたら、ガードマン(警官?)らが厳しく警護する建物があった。何だろう。「東京電力本社」だった。日本列島に人が住めない汚染地域を作った。そして同本社裏に古色蒼然「レンガアーチ高架橋」が有楽町~東京駅へ続いていた。

 このレンガ高架橋は明治時代の竣工。関東大震災(大正12年)、東京大空襲(昭和19・20年)を経て今なお現役。「レンガアーチ高架橋」は中央線のお茶の水~神田~東京駅にもある。東北線や上越線、京浜東北線が秋葉原を経て東京駅へ。昔はここに「万世橋駅」があった。東京駅と同じ辰野金吾設計。そして今日(3月14日)は「上野東京ライン」の開業。上野を経て東電本社裏・新橋辺りの「アーチ高架橋」の上を疾走して行く。

koukakyou1_1.jpg レンガ建造物を見ると明治・大正を振り返らずにはいられない。明治維新からの「富国強兵」で日本は大帝国日本へ。日清戦争が明治29・30年(1894~95)で、日露戦争が明治37・38年(1904~5)。そして東京駅周辺の「レンガアーチ高架橋」竣工が明治42・43年(1909~10)。大正3年(1914)に東京駅開業。さらに続ければ昭和6年(1931)に満州事変。昭和16年(1941)、太平洋戦争に突入。

 今回は右派系リーダーの一人だろう渡部昇一の本を読んでみる。~日本は石油を止められで開戦に踏み切った。米国に戻ったマッカーサーは「日本は原料供給を断たれて戦争に踏み込んだ。(侵略ではなく)自衛のためだった」と言った。ゆえに占領軍の「軍事裁判」は間違いで、靖国参拝が問題になろうはずがなく、むしろ宗教干渉だ。占領軍が作った憲法もおかしい。まして日本の今までの平和は憲法第九条のお蔭ではなく、米国の軍事力の傘の下でこそ。(渡部氏の本は多数あるも、同じ事ばかりが書かれている)

 そうした理論?の影響だろうか、「さぁ、今こそ〝戦後レジームからの脱却〟。あの頃の〝美しい日本〟を取り戻せ」と叫ぶ政治家がいる。隣国は異常な高予算で軍備増強しまくっている。米国に頼るばかりではなく日本も自立して軍隊・軍備の抑止力を持つ。憲法改定と集団的自衛権の行使。軍備増強。そして資源に困らぬよう原子力発展を怠らぬ、抑止力になるなら核も開発しようと言っている。

 自由民主党の衆参議員409名のうち289名が右翼系組織「神道政治連盟」と「日本会議」の国会議員懇談会メンバーとか。あの〝美しい国へ〟ってぇのは「日本会議」の惹句にあり。江戸好きのあたしは〝美しい国=江戸〟と思っていたが、列強国を目指していた日本のことらしい。そうした考えの頂点に立つのが現内閣。絶対多数でやりたい放題。国会でも平気で自衛隊を「我が軍」と言っている。異議を唱える人には完全無視。場合によっては会おうともしない。あたしは「東電」と「レンガアーチ高架橋」の間に挟まれて、しばし動けなくなってしまった。


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