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内慾少なくも外邪が乱れて(11) [貝原益軒「養生訓」]

yojo6_1.jpgyojo5_1.jpg養生の術は、先わが身をそこなふ物を去べし。身をそこなふ物は、内慾と外邪となり。内慾とは飲食の慾、好色の慾、睡(ねぶり)の慾、言語をほしいまゝにするの慾と、喜怒憂思悲恐驚の七情の欲を云。外邪とは天の四気なり。風寒暑湿を云。内慾をこらゑてすくなくし、外邪をおそれてふせぎ、是を以元気をそこなはず。病なくして天年を永くたもつべし。

凡養生の道は、内慾をこらゆるを以本とす。本をつとむれば、元気つよくして、外邪おかさず。内慾をつつしまずして、元気よはければ、外邪にやぶられやすくして、大病となり。天命をたもたず、内慾をこらゆるに、其大なる条目は、飲食をよきほどにして過さず。脾胃をやぶり病を発する物をくらはず。色欲をつゝしみて、精気をおしみ、時ならずして臥さず。久しく睡る事をいましめ、久しく安坐せず、時々身をうごかして、気をめぐらすべし。ことに食後は、必ず数百歩、歩行すべし。

<私注>「言語をほしいままにする慾」は〝おしゃべり〟と解釈した。「こらゆる=堪ふる」。「脾胃」の〝脾〟は西洋医学の脾臓ではなく、「脾胃=消化吸収機能全般」。

sekiranun826_1.jpg<爺婆談義> 爺:我ら老人になると「内慾」の「飲食の慾・好色の慾」からは解脱だな。婆:「睡の慾」もない。年寄りは早起きです。わたしらは長電話もおしゃべりも端から嫌いゆえ「言語をほしいまゝにするの慾」もなし。爺:だが喜怒憂思悲恐驚はあるな。政治が民意とかけ離れてイラ立つことばかり。婆:この辺の生活環境・治安も芳しくありません。変な人も増えた。外邪はどうだ。爺:台風多発(スーパー台風を含む)、酷暑(命の危険に及ぶ)、豪雨(土石流)、竜巻~。地球が壊れ始めているかの災害多発。子供時分にあった四季の風情を楽しむ余裕もなく、夏冬二季化傾向。婆:8月末になっても35度の猛暑日続き。先日は夕餉に外出すれば不気味な「金床雲」なる積乱雲。その翌日の稲妻・落雷・豪雨の凄かったこと。爺:外邪厳しくサバイバルです。

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