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内調(8)「官邸ポリス」現実92%と偏見100%  [政経お勉強]

makuren1_1.jpg 幕蓮著『官邸ポリス~総理を支配する闇の集団』を読む。帯コピー「元警察庁キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル!本書の92%は現実である」

 プロローグ。2011年の原発事故で内閣官房長・戸田(枝野幸男氏)が「日本国民を安心させる」偽情報の記者会見後に、トイレから妻へ電話。「日本はヤバい。子供を連れて日本脱出せよ~」(これ相当に悪質なフェイクと推測する)。それを隣のトイレで録音した記者が「官邸ポリス」の瀬戸(杉田和博内閣官房副長官)へ聞かせる。瀬戸は「〝国賊〟の志の低い大臣や政治家たち~」云々から「真に我が国のことを考えているのは内務(警察)官僚たる我々が~」と記す。

 端から相当に偏った意図、偏見で書かれた小説だとわかる。全12章、最近の諸事件の裏側が「仮名」で書かれていて、読めば「実名」が推測される仕組み。ちなみに俎上に載った仮名を、小生の推測実名で列挙してみれば~

 ★安倍総理の明恵夫人の夜遊び、森友学園がらみの後始末。★山尾志桜里議員の不倫スキャンダル。★御用記者・山口敬之氏の伊藤詩織さんへの準強姦逮捕の直前中止の裏経緯。★元文部科学省トップ前川喜平氏の「出会い系バー」リーク。★テレビ朝日の「放送番組審議会委員長」で番組監視をする総理応援団の幻冬社社長・見城徹氏。★反安倍記事が溢れるネット締め付けに、ミクシィ子会社「フンザ」のチケット転売で「ジャニーズ通信」よりの商標権不正利用で捜査。ジャニーズへ配慮と思われたくなく「TOKIO」Y君のリーク。★財務省の福田淳一事務次官の女性記者へのセクハラ発言事件。★2018年の総裁戦の裏側。★外務省系の矢口国家安全保障局に「官邸ポリス」が貸しを作った話~など。

kantei1_1.jpg ここで書かれた「官僚ポリス」は、前述通り現「内閣官房副長官兼内閣人事局長」の杉田和博氏(官邸の妖怪、現78歳)。「俺たちは政治家どもの下僕ではない。公僕のなかでも最も意識の高い我々こそが、日本を導いてゆく」。「内調」資料室が極秘の「官邸ポリス」設立準備室。杉田を頭に他の主メンバーは「内調」トップ北村滋内閣情報官、山下史雄警察庁生活安全局長、中村格警察庁総括審議官など。

 さて松本清張『深層海流』を読んだ後だけに、これは「カリカチュア」風小噺集の印象。帯コピー「本書の92%は現実で、100%の偏見で、コミック仕立てである」が相応しいような。同書出版は2018年末。世論調査で、モリカケ問題やアベノミクス不評で「安倍内閣を支持しない」が「支持する」を上回った時期。そこへ一石を投じるべく書かれたとも推測した。

 今井良著『内閣情報調査室』には、同書の著者〝幕蓮〟の正体を「内調」は絞り込んで監視下にあると記されていた。そしてサイト「アゴラ」に潮氏が特別寄稿。リストアップされた3人目Yと私は30年来の親交がある。Yのゴーストライターなら私の可能性だが、Yも私も「チーム幕蓮」ではない。誤解が拡散せぬように筆を執った、の一文が載っていた。まぁ、それほど真剣に読むこともなく、仮名を実在名に当て嵌める遊びを愉しみつつ読めばいいのかなぁ~です。小生は書籍に絵を描き加え、推測実名を書き込んだりして遊び読んだ。

 「内調」関連書は他に元室長・大森義夫著『日本のインテリジェンス機関』(文春新書)、毎日新聞で政治担当論説を務めた仮野忠男著『亡国のインテリジェンス』(論客19名執筆や対話。日本文芸社)はじめ多数。また『内閣調査室秘録』の志垣民郎氏が現役だった時代だろう『秘録戦後史~内閣調査室への報告書でつづる』全5巻(昭和20~40頃迄)の膨大書もある。読んでみたいが「内調」専門家?になりたくないので、この辺で「内調シリーズ」を止める。

 それにしても<「内調」⇒「安倍内閣」⇐「日本会議」>はどう絡み合っているのだろうか。宿題多数ですが、これにて終わり。冷房の効いた部屋で、しばしお絵描きの練習に没頭しましょと思っています。

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