古今亭志ん朝「抜け雀」 [読書・言葉備忘録]
えぇ~、イヤな天気続きですが、クリックのお運びをいただきまして、御礼申し上げます。空の塩梅がこうも悪いと「鳥撮り」にも行けません。ネットを見ますってぇと「雨がやんだ合間に近所の田んぼに鳥撮りに行って・・・」なぁんて方もおりますが、新宿在住では「鳥撮り」もおおごとで、鳥ネタも尽きたでございますよぅ。
で、今朝の新聞です。志ん朝さんのDVD全集下巻発売の一面広告が載っているじゃありませんか。その広告上半分の上に、ちくま文庫「志ん朝の落語・第6巻」をポンと置いて撮ったのがこの写真。なんでこの図になったかと申せば、DVD下巻に「抜け雀」収録で、ちくま文庫第6巻にも収録だからです。ちなみにDVDは昭和47年の映像で、ちくま文庫は昭和56年の口演収録。
落語には稀な「鳥の噺」ゆえ、その内容をかいつまんでみましょうか・・・。舞台は小田原宿場。立派な黒羽二重の五つ紋も動けば切れそうなオンボロ身なりの旅人が、宿場端でやっと呼び止められて投宿します。日に三升の酒を七日も飲んで一文無し。宿のオヤジに責められ、衝立にサッと描いたのが五羽の雀。翌朝、部屋の窓をあけたオヤジが腰を抜かした。絵から雀が飛び立って餌をついばんだ後にパッと絵に戻るじゃないですか。
これが大評判で宿は大繁盛。噂を聞いた領主が千両で買い取ると言いだした。ややして今度は老絵師が訪ねてきた。「この絵にはぬかりがある。とまり木がなければ雀は疲れて死んでしまうわ」。とまり木と鳥籠を描くと、五羽の雀は元気に出たり入ったり。この評判で絵はさらに二千両に。
その後、あの一文無しが訪ねてきて絵を見てビックリ。「こ・この絵を描いたのはわしの父。あぁ、わしは親不孝だ。大事な親を駕籠かき(籠描き)にしてしまった」がオチ。へぇ、お時間がよろしいようで。
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