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「鳥撮り」って何だ? [私の探鳥記]

40D&400_1.jpg 朝早く起き、バイクを駆って「鳥撮り」に行こうかと思ったが、朝の空は余りにどんよりしていて腰が動かず。川本三郎著「荷風好日」を読みつつ「鳥撮り」ってなんだろう…とちょっと考えた。鳥撮り人は鳥好きのナチュラリスト? 単なる年寄りの望遠撮影道楽? さぁ、ここから先を考えたら少々ややこしい…。

 高額レンズ(あたしのは20万だが、百万円余の超望遠レンズの方も多い)使用の鳥撮りの主層は圧倒的に中高年で、しかもリタイアされた方が多い。一方「野鳥の会」ボランティア活動などを拝見すると、彼らは間違いなくナチュラリスト志向の青年たちで、鳥撮り人とはちょっと違う。あたしを含めた元気な鳥撮り老人は、どこか「荷風さんの散歩」にも似て面白いと思う。散歩は江戸時代には「はしたない」ことで、「散歩を楽しんだ最初は荷風さん…」と言われている。森鴎外の散歩は身近な町の散歩だったとかで、荷風さんは隅田川、荒川放水路辺りの陋巷、水の景色を求めて小さな旅とも言える散歩を日常的にしていた。場合によっちゃ紅燈にしけ込んだりする。荷風さんは若い時分から世に背を向け、人生を下り…遁者の気持ちで変貌する東京に江戸の面影を求めて歩きまわった。時にはカメラ持参で散歩に出た。(晩年の浅草ストリップ小屋通いの荷風さんは踊り子たちにとっては「写真のおジイさん」だった)。鳥撮り人の老人たちも人生を下りたあとで、鳥を求めて日々さすらっている。ファインダーに収めるのは「今」ではなく、原初から続く鳥たちの姿や生態。明治・江戸よりずっとずっと遥かなる自然…。高層ビル街を通過して彼らが向かうは干潟、埋立地、湿原、田圃、湖畔、森のなか。ここでまた最初に戻って「鳥撮り人は果たしてナチュラリストか?」はたまた「望遠レンズ持参のジイの散歩道楽か?」 これは面白いテーマですから、いずれまた突っ込みましょう。今日はここでお時間でございます。


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