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古今亭志ん朝「三枚起請」のカラス [私の探鳥記]

 えぇ、こう天気の塩梅が悪いと鳥撮りにも行けません。で、昨日はカラス本の備忘録を記したら、なんですねぇ、志ん朝さんにカラスがらみの郭話「三枚起請(きしょう)」があるじゃないですか。8月29日に志ん朝さんの鳥がらみ「抜け雀」を記したんで第二席でございます。え~、吉原が盛んだった時分にこんな都々逸が流行ったそうな。「三千世界のカラスを殺しぬしと朝寝がしてみたい」。その時分はカラスが多くて、生ゴミが早く食いたいってんで長屋軒下で鳴いたそうです。「カカァ~、起きろ~。カァ~・カァ~」。

 その時分の噺。唐物屋の猪さん、経師屋の清さん、棟梁が吉原の同じ女から「年季が明け候えば、あなたさまと夫婦になること実証也」の起請をもらって入れ上げっていたことが発覚。棟梁が女を呼んで糺します。女が猪さん、清公の悪口を言ったところで隠れていた二人が出てきて、棟梁が啖呵をきります。「女郎が客を騙す商売くれぇのことは餓鬼の時分から知ってらぁ。騙すのは結構だが起請を書くような汚ぇ手を使うな。起請を破れば熊野でカラスが3羽死ぬってんだ」。女郎も負けずの啖呵です。「あたしゃ、嫌な起請をどっさり書いて世界中のカラスを殺してやりたいよ。あたしも勤めの身。朝寝がしてみたい」。

 これがオチ。起請文は熊野権現の「牛王宝印」捺印の特別な用紙で書かれる。この印はカラス文字(カラスが群がって字になっている)で書かれているんです。はい、お時間がよろしいようで…。(参考書:大田眞也「カラスはホントに悪者か」、国松俊英「鳥の博物誌」、ちくま文庫「志ん朝の落語3」と「古典落語 志ん生集」)


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