SSブログ

杉田昭栄著「カラス なぜ遊ぶ」 [野鳥関連本]

karasuasobu_1.jpg ジュンク堂書店の野鳥本コーナーに比し、新宿図書館(区内に10数館ある)の野鳥本は僅かなもんだ。それでも戸山図書館には「中西悟堂全集」がズラリと揃っているのがうれしい。そんな野鳥本状況だが東京の「カラス問題」でカラス本のみ充実している。ということであたしのカラス本読書は大久保図書館で借りたこの3冊目で読み止めにしましょ。著者は動物形態学、神経解剖学教授。カラスの観察から解剖まで踏み込んでいる。前半の観察ノートは他のカラス本と変わらぬ記述だが、解剖からは真骨頂発揮。まず他生物との脳比較。脳化指数はヒト、イルカ、チンパンジーの次がカラスで、イヌやネコより指数が大きいとか。解剖は眼(視覚/人間には及びもつかぬほど優れている)から始まって、鼻(臭覚)、耳(聴覚)、舌(味覚)、内蔵…と進んで、カラスに限らずトリとはこういう生物ってことがわかってくる。最終章はそんな脳、機能特性を有したカラスが訓練でどこまでの事が出来るかを実験している。形の認識、数的概念、学習能力はいかほどか…と根気よい実験が繰り広げられる。読んでいるとカラスがイヌのような身近な存在になってくる。いや、いずれは道具まで使いこなし、手前勝手なことばかりの愚かな人間共をも凌駕するかもしれぬという気になってくる。(2004年、集英社新書刊)。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。