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唐沢孝一著「The Birds」 [野鳥関連本]

karasawa.jog_1.jpg 久々の野鳥本は「ネオン街に眠る鳥たち」「都市鳥からフォークロア」をアップ済の都市鳥研究会代表の、唐沢孝一著「The Birds」。高校教員をしつつ鳥人生を歩まれた著者の自叙伝。あたしは手堅い公務員とは反対の浮草フリー稼業。鳥撮りは隠居の身になって始めたばかり。教師が書いた本ではソリが合わぬかと読み始めたが、半分まで読み進んだ「秀吉と利休」を中断し2日で読了。ほぼ同年配だから、著者の堅実な歩みに比し、自分はかくも滅茶苦茶に生きてきちゃったなぁと己を振り返りつつ楽しく読ませていただいた。

 著者の群馬県草津育ちに比し、あたしは東京場末育ち。著者は嬬恋村の中学で早くも野鳥観察。小中学生の野鳥観察コンクールで文部大臣奨励賞受賞。あたしの中学は東京でも名立たる不良校。渋谷の私立大付属高に入学した際はあの不良中から来たならばシメておかねばと入学と同時に先輩不良連に地下部室に連れ込まれて袋叩きにあっている。著者は中卒後に嬬恋村の親元から離れて下宿生活で前橋高校入学。高2の時に「60年安保」とあり、そうだ、あたしもキャパスで大学生たちの釘突き出したプラカード作りを見ていたなぁと思い出した。著者は東京教育大に入学。すでに鳥人生を決めていて理学部生物学科動物学専攻。山岳部に入った。ここであたしとちょっと人生がクロスする。不良のあたしは学校に通わず高2から社会人の山岳会・東京白稜会に入って大学下車駅で降りずそのまま私鉄沿線の山ん中に入っていた。このへんからあたしの人生は狂い出した。

 著者は高校教師をしつつ野鳥研究の道を歩み出す。あたしは理工学部応用化学科を捨てグラフックデザイナー2年、PRマン2年後にフリーの浮草稼業。ひょんなことから音楽業界にかかわることになるが、これに比し著者の人生はブレがない。野鳥観察はやがて「都市鳥」テーマを見出す。「都市鳥研究会」発足翌年にトヨタ財団による「環境をみつめる」コンクールに参加。7年にわたって奨励賞候補(予備研究費50万円)、奨励賞の本研究費(2年間400万円)、特別賞(100万円)、継続研究費(4年間1000万円)の長期コンペ?を勝ち抜いて「都市鳥」に取り組んだ。「都市鳥研究会」メンバーの何人かが野鳥本を出しているが、その背景にこんな賞金コンペがからんでいたとは驚いた。

 著者は1943年生まれ。同年配の鳥好きの皆さんも、自分の人生を振り返りつつ読んだらきっと面白いかも(徳間書店、1991年刊)。今日は久しぶりに晴天なり。これからどこぞに鳥撮りに。今頃は満潮。飯を食ってから家を出ましょうか。


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