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禾原先生之墓と関東大震災 [永井荷風関連]

kagensensei_1.jpg 昨日記した通り、島ではスズメバチ騒動があって、お気に入り手製ベンチに寝転がっての読書が出来なかった。厚さ5㎝を超え、持てば腱鞘炎になるほど重い草森紳一著「荷風の永代橋」を持参したが読めたのは冒頭数章のみ。そこでは漢詩人(その号が禾原)であり官僚から実業界に入った父と荷風さんの確執が書かれていた。中国文科卒の著者には絶好のテーマ。鋭い視線と洒脱な文章。嵌りそうな同書だが、そこで、はてな? と思った。荷風さんが「お雪」を伴うなど雑司ヶ谷の父の墓「禾原(かげん)先生之墓」を詣でる姿を詳細に記してはいるが、その「禾原先生之墓」は写真の通り墓碑欠けである。

 どこかのサイトで、碑面破損は関東大震災で墓石が倒れたためとあったが、もしそれが本当ならば、その頃の荷風さんの懐は父の余丁町の大邸宅を売却した金で膨らんでいたはず。なぜ直さなかったのだろう。著者も荷風さんのお墓写真を同著に掲載しているが、「碑面が白々と剥落し…悲愴な印象を与える」と記しているだけで、墓の破損がいつだったかには言及していない。果たして真実は…。

★今日9月1日は、関東大震災(1923年・大正12年9月1日)から86年目の「防災の日」。


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