片割れのハトも撃つかと福田言ひ [私の探鳥記]
キジバト写真は三度目。最初はアオバトを撮った後の花水川で「番の水浴びシーン」。二度目が「400ミリ手持ちMFの話」でアップ。今回は志賀直哉のエッセー「山鳩」を昨日読んでのこと。内容はこふだ…
熱海の山荘で山鳩の番が眼に馴染みになってゐた。そこに福田蘭童君が、今、撃ってきたと小綬鶏、山鳩、鵯を持ってきて呉れた。熱海の広津和郎君のところに行かうとなったが、バスが来るまで三十分あった。蘭童君はその間に裏山で山鳩と鵯と頬白を撃ってきた。後日に気付けば見慣れた山鳩の番が一羽になってゐた。蘭童君は「そんなに気になるなら残った方も片付けやうか」と云ふ。鳥にとって彼はそういふ恐ろしい男である。
蘭童君をネット検索すれば洋画家・青木繁の子。尺八名手で「笛吹き童子」「紅孔雀」のテーマ曲や多くの映画音楽を担当。1935年に大島ロケへ向かふ船上で純情派女優・川崎弘子と肉体関係をもって「レイプ」と大騒ぎされ、離婚して川崎弘子と結婚したそうな。ハナ肇とクレージーキャッツの石橋エータローは彼と先妻の子。開高健の釣の師匠とか。35年の大島ロケで何の映画を撮ったのだろふと調べてみたがわからなかった。「橘丸」就航の年で大島ブーム最中。あたしも大島ロッジを建てた当初、木の上にいる番のキジバトを双眼鏡で覗いていたことを思い出した。
2011-04-20 06:45
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