SSブログ

トモエガモ撮って立ち去る見沼かな [おくのほそ道]

tomoe6_1.jpg 昨日、トモエガモを撮った。昨年2月に綾瀬駅下車の公園へ撮りに行ったら「30分前に飛び去った」の無念。今回はそのリベンジ。寒かったが早朝に家を出て大宮駅からバスで、その池へ向かった。

 さて、芭蕉「おくのほそ道」です。8、9句目より先に10句目<田一枚植て立去る柳かな>をいじる。那須湯本と白河の間の「蘆野の里」に西行ゆかりの遊行柳(新古今/道の辺に清水流るる柳蔭しばしとてこそ立ちどまりつれ)にたたずんで、ぼんやり感慨に耽っている間に、目の前の一枚の田がいつのまに植えられてしまった。物思いから覚めて柳の陰から立ち去ったという感嘆の句。

 嵐山光三郎は「田一枚植て」が早乙女の行為、「立去る」は芭蕉、そこで切れて「柳かな」とブツ切れの状況説明をするようなへたな句を芭蕉は作らない。これは謡曲「殺生石」の化物説話から柳の化物が田を一枚植て立去ったと解釈すべき。西行の旅を幻視する芭蕉の白日夢だと自著「芭蕉の誘惑」で主張している。

tomoe3_1.jpg あたしは下手な解釈「自分が立ち去ったあとの情景」をもじって、<トモエガモ撮って立去る見沼かな>と詠んだ。

 トモエガモは環境省レッドリスト絶滅危惧種。年末にライフリスト更新で、ちょうど160種目。写真下はあたしの下手句にゲッとたまげたトモエガモ。白い瞬幕が半分出て目付きが悪くなっている。


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。