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防災に冬仕度添え枕もと [おくのほそ道]

nomisirami1_1.jpg 芭蕉は鳴子温泉を経て尿前(しとまえ)の関を抜けて出羽国(山形県)に入った。そこは馬の産地で宿はない。「大山をのぼって、日既暮ければ、封人の家を見かけて、舎(やどり)を求む」。「封人」は国境を守る役人。関所の役人ってことだろうか。同家は今も「陸羽東線=鳴子~新庄間=奥の細道・湯けむりライン」に遺されて観光名所になっている。築後推定350年で重要文化財指定。そこで「三日、風雨あれて、よしなき山中に逗留す」で、23句目<蚤虱馬の尿(しと)する枕もと>を詠んだ。しかし写真を見れば外観も内部もそれは立派なお屋敷。本当に芭蕉が泊まった家ならば、築後28年で「蚤虱馬の尿~」とはほど遠いイメージだったろうに。ここでの芭蕉句も虚構か・・・。

 またここまでは主に歌枕を訊ね詠ってきた芭蕉だが、なんだか句の感じが違ってきた。「軽み」が出てきた。何か思い当ることがあったに違いないあ。

 さて同句をどうもじりましょうか。元旦の東京に震度4の地震。今もし関東大震災級の地震が襲えば、寒気と瓦礫のなかに投げ出されよう。辛いのはこの寒さ。なれば<蚤虱馬の尿する枕もと>でも有難い。枕もとの防災バッグに多少の水と保存食が入っているが、用心に防寒ズボン、ダウンジャケットも添えましょ。<防災に冬仕度添え枕もと>。

 芭蕉句、防災句に合う写真なし。再び書で逃げる。蚤虱ゆえ、白い余白を汚してみた。老いて絵心が芽生えた。次は筆で書に絵を添え彩色するかもしらん。図に乗らぬよう自重なり。


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