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古文書・原稿用紙・デジタル体裁 [くずし字入門]

kirisitan1_1.jpg ワープロ前は原稿用紙に原稿を書いてきた。原稿書きのルール通り「改行(行替え)」して、次の行頭を「一字アキ」で書き出す。これはワープロからパソコンの横書きになっても変わらず。しかしブログになると、改行が「一行アキ」になる。「ウィキペディア」などは「一字アキ」もない。これがデジタル文の形らしい。

 

 当初は面食らったが、ブログの文字組は行間が狭いゆえ「行替え」で「一行アキ」になった方が読み易い。ここは郷に従えだが、あたしは「一行アキ」になった次の文の頭は、原稿書きのルール通り「一字アキ」で書き出している。

 

 一方、古文書<筆写は参考書「古文書の読み解き方」(吉川弘文館)よりキリシタン法令文一部>の場合は、五行目の「不残曲事ニ可被」の次が「一字アケ」で、「仰付」に続いている。この「一字アケ」(ニ字アケの場合もあり)は、「仰」の主に敬意を表しての「闕字・欠字」。

 

五行目の最期「常々被」は改行されて、「仰付」が行頭から始まっている。これを「平出・平闕(へいしゅつ)=平頭抄出」。お上ゆえの行頭。さらに貴人名や称号を書く際は行頭より「一字上げ」、天子の場合は「二字上げ」の場合もあって、これを「擡頭・台頭・上げ書き」。これらは電子辞書にも説明されている。

 

 上記のような古文書の書き方があり、原稿用紙では「改行・一字アケ」になり、デジタル世界では「改行が一行アキ・一字アキなし」になった。

 

 古文書の参考書は掲載原文は古文書通りで、読み下し文・現代語訳は改行・欠字・平出すべてなしで、本文は原稿書きルール。三通り混合の構成で、なんともややこしい。

 

ついでに言えば、印刷業界も活字組版から電算写植、そしてデジタル(DTP)になった。文章も写真もメール送信。DTPは送信された原稿を棒打ちでレイアウト・スペースに流し込み、後から原稿書きルールに直す作業をしている。よってデジタル世代のDTP担当者が原稿書きルールを間違えぬよう、あたしは原稿ルールで書いた文をプリントアウトして、これに文字指定(書体、字間、行間指定)をして手渡している。DTPはこれを見つつ行替え・一字アキに改めてくれる。

 

写真も容量が大きいとウィルスと判断して送れない、受取れない。結局はCDRを手渡す。便利になったようだが、ちっとも便利になっていない。

 

 筆写の読み下し文は… 一(ひとつ)、切支丹宗門御制禁の儀、御高札(ごこうさつ)の面(おもて)急度(きっと)相守り申すべく候、自然(万一の意)不審なる勧めいたし候僧俗(そうぞく=僧と俗人)これ有り候はば、郷中の儀は申すに及ばず、他所より参り候共とらへ置き申し上ぐべく候、もし隠し置き申し候わば、一郷のもの残らず曲事(くせごと=正しくないこと、処罰)に仰せ付けらるべく候間、常々仰せ付けられ候御法度の趣、油断無く吟味仕(つかまつ)るべく候

 怖いねぇ、間違いは村全体罰。今も体育系教師が、一人の失敗で全員を殴ったりしている。あたしも中学の時に、佐藤先生に数メートル飛ぶほどの勢いで殴られたことある。今でもなぜ殴られたのか理由がわからん。


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