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右衛門に読まぬ右あるややこしさ [くずし字入門]

otokona1_1.jpg かかぁの時代小説を読んでいたら、こんな文章があった。…剛左衛門(ごうざえもん)が死体を見て絶句した。「ま・ま・松前屋の信右衛門(しんえもん)さんに間違いありません」。

 

お気づきだろうか。剛左衛門は「左=ざ」と読んで、信右衛門は「右」を読まぬ。古文書の勉強を始めると甚右衛門、伊右衛門、忠右衛門 与右衛門など〇右衛門さんがやたらと出てくる。古文書の講師が「名前も読めるようになりましょう」と言ったが、なぜに「右」を読まぬかは教えてくれなかった。「う・え」の発音が似ていての省略か…。

 

「衛」のくずしも実に多彩。『くずし字解読辞典・普及版』でも、これだけの文字例が載っている。古文書の参考書を見れば、さらにあって、とても覚えられぬ。あげくはカタカナの小さな「エ」で済ます例も多い。

 そして「エ」の次の「門」が、「つ」のようなくずし字で、名前は署名での登場例が多いから、この「つ」が二倍三倍の大きさで書かれていたりする。まっ、大きな「つ」があれば〇〇衛門だなと思って間違いない。加えて村名主に〇右衛門が多いのは何故だろうか。この〇を「名頭(ながしら)」と言うそうな。寺子屋の子供達は「名頭字盡」なる一覧表教材で学んでいたとか。


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