地震火事すはやの時のご用心 [くずし字入門]
前回「火の用心のうた」の続き。前半は数ヶ所わからなかったが、後半はほぼ解読か…。
火の為に着替えのきものさだめおけすハやといへる時の用心
火の為に夜もながすな居風呂の湯も朝こぼせこれも用心
火のときハ老人子供病人をけがせぬやうににがす用心
火のときハ火のある火ばち火入などあハてて蔵に入れぬ用心
火のときハ宝過去帳諸帳面證文るゐを焼かぬ用心
火のときは極大せつなものならバ蔵へ入れずにいたす用心
火のときハ盗人多くあるもの顔みて荷もつわたす用心
火のときハ金銀などにめをかけて大事の命すてぬ用心
最初項の★「すはや」は「すは=あっ、やっ=突然の出来事に驚き発する感動詞」+「や=強調」。二項目の★「居風呂」は「据風呂」だろうか。★五項目の「過去帳」は故人の戒名、俗名、死亡年月日、享年などを記した仏具の帳簿。その家の系譜記録。★火鉢が出てきたので、ちなみに竃(へっつい)、七輪、焙籠(あぶりこ)などを造るのを石灰職人とか。こうした言葉を知らないと江戸のくずし字も解読ならぬのだろう。『江戸の用語辞典』なる書もあるそうで、見つけたら購っておきましょう。『守貞漫稿』なる江戸後期の江戸の暮しを記した全30巻を3冊に収めた書があるそうな。これは図書館の閉架、しかも館内にみ閲覧の稀少本らしい。また図書館通いが始まりそう。
皆様、寒くなってきました。大気乾燥。年の瀬の忙しさもあります。どうぞ「火の用心」を。20日の新聞に首都直下地震の被害想定が載っていた。死者2万3000人とか。怖いのはやはり火災です。
2013-12-22 06:23
コメント(0)
コメント 0