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(13)二十歳の艶二郎に四十路の妾 [江戸生艶気蒲焼]

uwaki10_1.jpgゑん二郎、女郎かいにてゝ(買いに出て)も、うちへかへつてやきもちをやくものがなけれㇵ(家に帰って焼餅を妬く者がなければ)はり合がないと、きも入をたのミ(肝入を頼み)、やきもちさへよくやけば、きりやうㇵのぞまぬ(器量は望まぬ)といふちうもんにて、四十ぢかい女を志たく(支度)が金二百両にてめかけ(妾)にかかゑる。

艶二郎「きよねんのはる、なかず(中洲)でかつたぢこく(地獄)でㇵねへか志らん。志やうべんぐみ(小便組)などゝいふところㇵごめんだよ」 女「わたしをおかゝへなされましても、大かた女郎かいやいろごとで、わたしをおかまいㇵなされますまい」と、もう、すこしてミせ(手見せ)にやきかける。

 冒頭に艶二郎は「としもつづや(十九)はたち(二十)といふころなし」とあったが、それで四十路ぢかい女を妾にかゝゑる」とある。とんだ年増好きらしい。

「きも入=周旋屋」。校注に支度金二百両は異例の額とある。「中洲」は佐藤春夫『美しい町』、小山内薫『大川端』、永井荷風の「中洲病院」で、その地の歴史調べ&自転車で幾度も訪ねている。中洲には「舟まんじゅう」まであった「淫ら島」。ピンキリだったらしい。

「小便組=妾奉公で、わざと小便を漏らして解雇され、支度金をせしめる悪い手口」らしい。絵には「小便無用 花山書」あり。校注は「此のところ小便無用花の山」の其角句のしゃれとあった。よくわからないので興津要『江戸川柳散歩』を見る。~金屏風に紀伊国屋文左衛門が悪戯書きをした。これじゃ洒落にならぬと、其角が「花の山」と加えて句にした。この逸話から川柳に「小便に花を咲かせる俳諧師」があるとか。「手見せ」は手練手管の腕前を見せる。

 ややマンネリ気味ゆえ、今回は模写も頑張った。と云うのも実は抽斗から「ホルベイン・ガッシュ(不透明水彩)12色」が出てきたので、「白」を使ってみたくなってのこと。買った覚えがないんだが、さて~。


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