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(14)筆で細く真っ直ぐに [江戸生艶気蒲焼]

uwaki11_1.jpg艶二郎もとよりうわきもの(浮気者)なれバ、ふか川志な川新しゆく(深川品川新宿)ハいふニおよハず(言うに及ばず)、はしばし(端々)までかつて(買って)ミたれども。うきな(浮名)ほどて(手)のある女郎ハないとおもひしが、ひととふり(一通り)でハおもしろからずとおもへども、たゞまぶ(間夫)にならふといつてㇵ、むこふがふせうち(向こうが不承知)ゆへ、わるゐ志あんが名あてにて、うきなをあけづめに、じぶんㇵ志んぞうかい(新造買い)にてあい(逢い)、おもいれかね(思入れ金)をつかつて、此ふぢゆう(不自由)なところがにつぽん(日本)だとうれしがりけり。

 まぁ、二十歳かそこらで深川品川新宿は言うに及ばす~と、艶二郎は大変な放蕩息子。金にあかせて江戸中の岡場所で遊んできたらしい。性豪とも云えようが、残念ながらモテたことがない。

 「一通り=普通」。「名あて=表向きは志庵の名で」。「あげづめ=揚げ続け」。つまり志庵の名で浮名を連日独占させて~。自分は通といわれる「新造買=姉女郎の客が重なった場合に、少女遊女が性関係なしで時間つなぎの相手をする」をして~。「思入れ金=思い入れがたくさん含んだ金」を使って、この不自由さが「日本=日本一」だとエツに入っている。馬鹿の骨頂です。

 絵は手水鉢横に貼り紙あり「火の用心 一 居続御客不仕候(いづつけお客つかまらずそうろう=いたしません) 一 表二階ヨリ往来ニ芥捨不可候(ゴミすてるべからずそうろう)」。読み方はこれでいいだろうか。

 解説に「京伝は線画もさすが」の文あり。あたしも頑張ってみた。どうでぇ。この筆線の細さ、真っ直ぐさ。実は昔むかし、箸を握るように面相筆とガラス棒を持ち、直定規の溝にガラス棒の玉を滑らせつつ線をひく練習をやったことがあるんです。今はガラス棒も溝付き定規も持っていないが、ゼブラ筆ペンとサインペンを握り、平行線をひく三角定規に沿って線をひいた。これで高齢者諸症状による線の乱れも消えた。もう一度言わせてもらおう。「どうでぇ」


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