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ペリー艦隊来訪で飼葉が急騰 [くずし字入門]

komonjyo5_1_1.jpg 左記古文書筆写の<解読文+(読み下し文)>(棒組)

 乍恐以書付奉申上候(おそれながらかきつけをもってもうしあげたてまつりそうろう) 一(ひとつ) 御役所様御馬(おうま)御飼料(ごしりょう)御用之儀、此度(このたび)異国船渡来ニ付、飼葉御手当被遊候ニ付(かいばおてあてあそばされそうろうにつき)、今般御直段書(こんぱんおねだんがき)御調被仰付(おしらべおおせつけられ)有難仕合奉存候(ありがたきしあわせぞんじたまつりそうろう) 然ル処(しかるところ)異国船風聞ニて(ふうぶんにて)飼葉干草(かいばほしくさ)元相場此節 格外不同ニ(かくがいふどうに)御座候間、差掛り(さしかかり)取留候(とりとめそうろう)相場之儀 難申上候間(もうしあげがたくそうろうあいだ)、此段以書付奉申上候 以上  戸塚村 甚右衛門 嘉永七寅年正月十七日 御厩(おんうまや)御役所様

 異国船来航で、馬の飼料・干し草の値が変動ゆえ調べるよう仰せられて有難仕合。異国船風聞で、馬の飼葉・干し草は「格外不同=規格外で定まらず」。相場は申し上げ難いという内容。

 ペリーの黒船が浦賀に来航し、東京湾内を威嚇航海したのが前年六月のこと。八月に防衛強化で多数台場が築造された(荷を曳く牛馬も駆り出されただろう)。尾張藩も防衛任務で馬の出動頻繁だったか。翌嘉永七年一月十六日にはペリー七艦隊が再び来航。江戸はひっくり返るほどの大騒動。その最中の古文書。(新宿歴史博物館の古文書講座。主催者と久保貴子講師の熱意で、毎回素晴らしい資料を教材にして下さっている。感謝)


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