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アメ横の師走を知るや都鳥 [暮らしの手帖]

yurikamome1_1.jpg 野暮用で「田端」へ。するってぇと、かかぁが「おまいさん、ちょいと足を伸ばしてアメ横で〝ホタテの干物〟を買ってきておくれよぅ」。用事を終え、新宿とは逆方向の山手線で「上野」下車。アメ横へ行く前に上野公園~不忍池を歩いた。多くの冬鳥が群れていた。

 アメ横へ足を踏み込むってぇと、そこは歩くも難儀な師走の大賑わい。雑踏をかき分けつつ、不忍池で優雅に飛び交っていたユリカモメらは、この大混雑は知らねぇだろうなぁと「アメ横の師走を知るや都鳥」とつぶやいた。

 在原業平はユリカモメをミヤコドリと詠んだ。鳥類学上の和名「ミヤコドリ」はモダンな黒白ツートンで、赤い眼・脚・長ぁ~い嘴を持って干潟(三番瀬など)で群れている。

 「嘴と足と赤きといひし業平の昔おもほゆる都鳥かも」。子規はこう詠ったが、さてどちらの都鳥を詠ったのだろうか。大岡信監修の歳時記には元禄八年刊の「頭書増補訓蒙図彙(かしらがきぞうほきんもうづゐ)」に描かれた鳥類学上のミヤコドリを載せているが、紹介される俳句・短歌の都鳥は、すべてがユリカモメを詠っていた。


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