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チェコスロバキアの誇りと意地 [デミタス&飾り皿]

4czech1_1.jpg 「Made in Germany」と刻印されたチェコのデミタスの次は、堂々と「Made in Czechoslovakia(チェコスロバキア)」刻印の「チェコ製金彩カップ&ソーサー」を手にとってみた。

 カップ&ソーサー共に金彩(ゴールド)。それでもカップ内側底とソーサー中央に白磁の素が残されて花が描かれている。バックスタンプは針葉樹らしいニ本と「SCHLAGGENWALD」の文字。ネット販売で同マークのカップが売り出されていて、こう説明されていた。「チェコのホルニー・スラヴコフという町にある世界的窯元、シュラッゲンヴァルト窯の1930年代の製品」

 チェコの西ボヘミア地方は、ドイツのマイセンやドレスデン、南のミュンヘンに隣接していて、この辺一帯が磁器生産地なのだろう。シュラッゲンヴァルト窯のある「ホルニー・スラヴコフ」を調べてみたら、チェコのドイツ際の町だった。

4czech2_1.jpg ここでチェコの歴史を簡単にお勉強してみた。ポーランドやローマ帝国などに侵略され続け、「30年戦争」「フランス革命」「ナポレオン戦争」と気の遠くなるような戦禍が続いている。チェコとスロバキアが合同して「チェコスロバキア共和国」が出来たのは、第一次大戦後の1918年だった。しかし平和は永くは続かない。1939年になるとドイツ・ナチスによってボヘミア、モラヴィァ地方が再びドイツ保護領へ。ナチス・ドイツが敗れると、今度はソ連によって「チェコスロバキア社会主義共和国」へ。共産党体制崩壊後の1993年に現在のチェコとスロバキアが分離。

 チェコは千年に及んで周辺列強国に翻弄され続けて、独自の文化も育めなかった。しかし、このデミタスのバックマーク「MADE IN CZECHOSLOVAKIA」を見ると、ここにはチェコの誇り・意地・歓びが満ちているように感じられるが、いかがだろうか。


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