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マリー・ローランサン(1) [スケッチ・美術系]

marie1_1.jpg 過日、府中市民美術館「マリー・ローランサン」展を観た。美術初心者(小生)には丁寧かつわかり易い展示だった。加えて展示作をスライドで写しつつ、彼女の作品と人生のミニ講座もあった。

 最近、弊ブログでその名が二度も登場した。藤田嗣治「エコール・ド・パリ」の一人として。そして竹久夢二「黒船屋」を某著者が「ローランサンの絵にそっくり」と誤記(正しくはヴァン・ドンゲン)しているとも記した。

 さて、美術館の冒頭展示に、画塾で習った古典的デッサンによる自画像(左の模写絵)があった。次に「洗濯船」を訪ねてブラック、ピカソ、アポリネール(後に恋人)の影響を受けてフォーヴィスム、キュビスム系の作品(右の模写絵)になって行く。

 この辺の絵になると、ピカソ作品でも「僕にも描けま~す」的な変な、子供が描いたような絵が多い。フォーヴィスム(野獣派)の簡単説明によれば「従来写実画から印象派やゴッホの影響を受けた画家らが、より心で感じる絵を描こうと感覚重視で描いた絵。色彩は主観的感覚の表現として原色多用の強烈さ、激しいタッチ、平面的が特徴」とあった。

 ローランサンは彼らと付き合ってい、彼らの展覧会に出品だが、模写した「自画像」通り、原始美術的デフォルメは認められるも、原色多用や激しいタッチも控え目で「優美さ」を保持。しかし次第に〝小学生が描いたような絵〟になって行く。

 これも過日、上野・東京都美術館で「伝説の画家たち~二科百年展」を観たが、この辺の絵が多かったのか、思わず「てぇした絵はねぇなぁ」が感想だった。美術館を出ると人ごみで、付いて行けば芸大文化祭で、ここにも〝下手な絵〟が多かった。絵画に「眼を見張る作品なんてないじゃん」と思ったが、ちょっと冷静になって考えてみた。

 「とは言え芸大受験には難関デッサンがある」と。そこで「画学生のデッサン」と検索すれば、やはり力量あるデッサンばかり。その勉強をひとたび通過すると、写実的絵画から脱して自分流を求めだして、なんだか〝下手な絵〟になるらしい。

 またここで「デッサンにも流行がある」と知って驚いた。あたしは後期高齢者ゆえ青年期の石膏デッサンと言えば、木炭にパンや練りゴムで黒く重い調子。輪郭線でも引こうものなら「そりゃイラストだろ」と怒られたもの。それが1970年代に「きわ攻め」で輪郭明瞭、明度対比をシャープにしたデッサンが主流になったとか。デッサンと言えば石膏デッサンだが、西洋では石膏デッサンなんてないらしい。

 なんだか絵画の世界はわからない。丁寧な美術館展示に誘われて次はマリー・ローランサンの絵からキュビスム系をお勉強してみる。


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