SSブログ

ピカソ:描いて描いて描きまくった [スケッチ・美術系]

picasso152_1.jpg 絵を描き始めて水彩画入門書を読み、併せて十数名の内外画家の関連書を読んできた。だがその先へ進めない。図書館の「美術系棚」には入門書・鑑賞ガイド本・画集の他は僅少。読みたい本がない。画家らは「描いても書かない」らしい。画家には文章を書けない人が多い。それは失礼ゆえ彼らは「文章以上の世界に棲んでいる」と解釈した。

 そんなワケで余りに厚い(5㎝)ので敬遠していた『ピカソⅠ 神童1881~1906』(ジョン・リチャードソン著の翻訳評伝書)を手に取った。少年期の記述に「描いて描いて描きまくった」という文あり。画家にはそんな時期があるのだろう。

 「描いて描いて描きまくった」と呟いていたら、世田谷文学館で「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」開催中を知った。美術館ではなく文学館開催がミソか。ちなみに世田谷美術館では何をやっているかと調べたら、ピカソに鉄彫刻を教えた「フリオ・ゴンサレス展」。ついでに雑誌「美術手帳」を見れば、画家ではなく同じく漫画家・浦沢直樹特集だった。

 漫画に押されて、日本現代絵画はどこに行ったやら。素人なりに推測すると、かつて絵描きらを支えていた「パトロン」は死語に近く、「画家と画商」の関係も旧態依然の感じ。今の絵描きらは、どんなシステムで絵を換金しているのだろう。純粋絵画(ファインアート)ゆえ、極貧生活に耐えつつ絵筆を握っているのだろうか。

 過日観たテレビで、某新人画家の絵が上海だったかのアジアンオークションで初めて値が付くシーンが紹介されていた。脳裏に「中国バブル」や「資本主義の終焉」やらの言葉が浮かんで来た。なんだか曖昧で胡散臭い感じもした。一方、漫画家は原稿料や単行本印税で、それはそれでハッキリしている。

 浦沢直樹は5歳から漫画模写を始めて、たぶん画塾でデッサンもせずに経済学部卒業と同時に人気漫画家一直線らしい。同じく「描いて描いて描きまくった」ピカソは、15歳でデッサンを極め、早や娼家に出入りし、修道院より依頼の宗教画を売ったらしい。

 以上、純粋絵画と漫画、デッサン力と漫画の画力、出版業界と画商やオークションなど諸テーマ〝ちゃんぷる〟で記した。カット絵は15歳のピカソ。微妙に似ていない。どこかの線をちょっと直すと似るのだが、どこを直せばいいのか分からなかった。


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。