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植草甚一と谷岡ヤスジのヘタウマ [スケッチ・美術系]

uegusayasuji_1.jpg 北斎の足を模写しつつ、ピカソ「足」のデッサンを思った。ピカソは美術教師の父の元、14歳でデッサンを極めたとか。「絵の基礎はデッサン」は常套句。これは「ゴルフの基礎はスウィング」に似ている。一流ゴルファーも子供時分からクラブを握って10代でシングルへ。他スポーツや器楽演奏でも幼児教育が肝心。カラオケ番組を観ているとプロ歌手より上手な子らも登場する。

 それら子の技に舌を巻くも、彼らに魅力は感じない。概して優等生にも同じ感がある。だが絵には他分野にはない「ヘタウマ」が存在する。「ヘタウマ」系の人は「ヘタ」ゆえに〝人間味〟があるのか、文章面やキャラクター面でも人気者が多い。

 例えばあの蛭子さんは「絵がヘタ」と言われると、決まって「上手になるよう努力はしているんですがねぇ」と言うが、真っ赤なウソだ。上手に描いたら蛭子さんの絵ではなくなる。「ヘタウマ」の人は〝より上手に描きたい〟という自然な欲求を絶った「諦観の達人」のような気もする。

 「ヘタウマ」元祖の一人に谷岡ヤスジがいた。小生は1970年に某PR誌で「植草甚一氏と谷岡ヤスジ氏」に対談していただいた。こう記して時代確認をネットですれば、なんとその4年後の1974年の植草甚一編集「ワンダーランド」改め「宝島」2月号(B4変型の第6号休刊告知号)表紙を谷岡ヤスジ氏が描いていて、ちょっと驚いた。あれから二人の交流が続いていたんだ。

 その休刊号の古本は、今でもネットで買えるが、小生の企画・編集でお二人に対談していただいたPR誌はもう探しようもない。あの時、二人は「ヘタウマ」の楽しさ、境地を語り合っていたような気もするが、天国に行かないと確かなことはわからない。


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