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小川千甕:絵は何でもありがいい [スケッチ・美術系]

zenga1_1.jpg 某画家の随筆集に「純粋絵画VS原稿料の絵」趣旨の章があり。結論は「ファインアートも職業になれば嫌なことも付きまとう」で締め括っていた。絵描きもお金が大事とハッキリ言えばいいのにと思った。「絵を売ることを知らぬ?」熊谷守一も、極貧生活を見かねた画商やコレクターらによって人気画家になった。

 上記が絵に関するお金の話。次に「画家のデッサン力VS漫画やイラストの画力」云々も騒がしい。そんなのどっちでもいいじゃないかと思う。モネは写真を見て描いたと指摘されて「写真を見て描いても、満足に描けない画家が多い」と一蹴した。

 小川千甕(せんよう、1882~1971)の本(図録)を読んだ。彼は15歳で仏画師へ奉公。20歳で欧州帰り洋画家・浅井忠の門下生に。人体デッサンや写生に励み、次に陶器の装飾(デザイン)絵付け。28歳で上京し「ホトトギス」に挿絵。各誌に時事漫画も描いた。31歳でヨーロッパ遊学。帰国後に日本画「珊瑚会」結成。(34歳で伊豆大島滞在)その後は俳画、南画(文人画)、禅画も描いた。昭和42年、85歳で上野松坂屋で武者小路実篤・熊谷守一と三人展。88歳の米寿展後に没。晩年は子供みたいな絵を描いていた。

 彼にとっては純粋絵画もイラストや漫画も、デッサンの上手下手も関係なく何でもありだったような気がした。あたしは絵を描き始めて1年に満たぬが、歳相当の絵ならば枯れた俳画のような絵を描くのが相応しいような気もする。そう思って小川千甕の晩年の禅画「芭蕉庵」一部を真似してみた。

 神田川沿いの「関口芭蕉庵」には、この絵のような5㍍ほども天に伸びた立派な芭蕉が繁っている。カット絵は「コピー紙+鉛筆+透明水彩+万年筆(プラチナ・カーボンインク)+筆ペン+修正液」。画材も何でもあり。


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