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柏の葉ひらと時空を飛ぶ遊び [暮らしの手帖]

kasiwanoha_1.jpg 雨の日の遊び。伊豆大島ロッジ前に大きな柏の木があって、その立派な葉を写真に撮っていた。その葉を見つつ、島で食った「柏餅」が〝丸っこい葉〟で包まれてい、かかぁと「島に柏の葉があるのに、この丸い葉はなんだろう」と首を傾げつつ頬張ったのを思い出した。

 そこで「大島の柏餅」を検索。それはサルトリバラ(猿捕茨)で、島ではカシャンバ、またはキンキライ(山帰来)とも言うそうな。サンキライはサルトリバラの一種で、中国や台湾に自生で、中国名は「土茯苓(どぶくりゅう)」と知った。

 あれぇ、どこかで見た漢字だなぁ。新宿の我家マンション前の公園「戸山公園」は昔、尾張藩下屋敷。遊び心満載の池泉回遊園で、虚構の町まで作られていた。同下屋敷調べをしていた時に何度もお目にかかった漢字だと思い出した。

 試みに「尾張藩下屋敷 土茯苓」と検索。案の定、寛文11年(1671)の「尾州公戸山御庭記」を転載した小生サイトがヒット。現在の戸山公園・箱根山は、当時は「玉円峰」で、その峰に至る坂が「茯苓坂」だった。

 そう云えば、最近の戸山公園一帯には昔の尾張藩下屋敷当時のお庭名称を記した史蹟柱が至る所に建っていて、箱根山に至る坂に「尾張徳川家戸山荘茯苓坂」の案内柱もある。

 さて「土茯苓=サルトリバラ=サンキライ=カシャンバ」ならば、大島の柏餅を包むのは「土茯苓」になる。だが「土」がなく「茯苓(ブクリョウ)」となると、また別の意らしい。

 「茯苓」は、松林の地中に生じる木材腐朽菌。松の根に寄生するイモ状のキノコらしい。松の神霊の気が宿った妙薬で、仙人が好んで食した漢方食材。するってぇと「茯苓坂」とは。尾張藩主が薬用キノコを育てていての命名だろうか。当時の薬草園作りの誰かが、尾張藩下屋敷のお庭作りにも係わっていたとも推測される。こうした推測とネット検索はキリなく続いて行く。

 ここまで調べて、かかぁに「柏の葉」と「大島の柏餅を包む丸い葉」と戸山公園の「茯苓坂」についてを報告すれば、「あら、あたしもその名に心当たりがあるわ。昔、顔のシミ取りに飲んでいた漢方薬が〝桂枝茯苓丸〟だった」。

 大島ロッジ前の「柏の葉」写真から「大島の柏餅を包む猿捕茨(カシャンバイ、サンキライ)へ。そこから中国の「土茯苓」。新宿の我家前に広がる戸山公園(尾張藩下屋敷)の「茯苓坂」。かかぁが呑んでいた漢方「桂枝茯苓丸」へと続くトリップでした。外は今日も雨です。


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