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龍ってなに? [暮らしの手帖]

ryu3_1.jpg ガラクタ文鎮のなかに〝龍〟が二つ。この歳まで〝龍〟に無関心。無知ってこと。その世界を覗けば龍関連書(龍研究者)があり、龍マニアもいる。これを機に初めて〝龍〟の世界を覗いてみた。

 基本的にはインドの蛇神、水神のナーダが、中国に渡って神獣、霊獣化。五本爪の龍が皇帝の象徴になった。ゆえに韓国では四本爪の龍。日本に龍が登場したのは弥生時代。弥生土器に龍あり。古墳時代には壁画の四神に青龍。平安時代の密教では雨の神として龍王。「法華経」にも龍が登場。龍神信仰が浸透した。

 日本の龍には中国からの陰陽道、仏教の龍王・龍神、そして日本土着の龍(大蛇)の影響があるとか。〝龍蛇〟は爪なし脚なしで大蛇に近い。宝刀魚、摩訶薩魚もいる。その後に天・地・海で三本爪の龍が多くなったか。北斎が描く龍を見れば、すべて三本爪。龍へのこだわりがあったか、最晩年に描いたのも龍だった。

 以上、いささか乱暴な龍の概念まとめだが、西洋のドラゴンの影響も無視できないらしい。しかし、それら由来などは次第に薄れて、今は様々な龍がいる。寺社の向拝、木鼻、出三斗、欄間、天井絵、襖絵、手水舎。神輿や山車にも龍がいる。北斎に限らず浮世絵師や日本画家は龍を描く。子供時分に浅草の縁日で〝一筆描きで龍を描く〟露天商を見た記憶がある。そして十二支のなかに唯一の想像動物として龍が組み込まれている。

 角は鹿、頭は駱駝、髭は鯰、眼は鬼、体は蛇、腹は蜃気楼の蜃?とか。鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛とか。他にも鎌倉時代の蒙古来襲を防いだのは諏訪大明神の龍蛇で、大地震や噴火をおこすのも龍。山には龍穴がある。

 ちなみに「龍」とだけで新宿図書館で蔵書検索すれば六千件もヒットした。それだけ浸透しているんですね、だが皇帝、神話、宗教には関心薄く、辰年生まれでもなく、名に龍の字も付かず、身体に龍の刺青も彫っていない小生には、何だかとても厄介な存在です。以上、黒田日出男著『龍の棲む日本』(岩波新書)やウィキペディアなどを参考にした。

 写真の真鍮(黄銅)製の龍は、顔が短く狆みたいで、左足の四本爪で如意宝珠(にょいほうじゅ)を持っている。これを文鎮にして何かを書いたら、いい事・悪い事が起こりましょうか。


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