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盗賊弐人立脇差之抜身を~ [くずし字入門]

komon3-2_1.jpg 「デジタルお絵描き」遊びもほどほどに、お勉強もしなければいけません。古文書講座復習7は(6)の続きで〝書き初め〟です。書き初め=吉書、試書、初硯、筆始め。小生の場合は「筆ペン+墨汁+コピー紙」の好い加減なもの。筆写するのも昨年の続きで、新年早々〝盗賊関連の古文書〟。

 前書の品々、家内之もの共一同臥居候所(ふせおり候ところ)、盗賊忍入(しのびいり)、右品盗取逃退(ぬすみとりにげさり)、翌朝二相成見付候間(あひなりみつけ候あいだ)、所々相尋(あひたずね)候へ共(そうらへども)、行形相知レ不申(ゆくかたあひしれもうさず)、其砌り(みぎり)御訴可申上処(おうったえもうしあげるべくところ)、手掛り等の可有之哉(これあうべきや)二存、是迄穏便二致置(いたしおき)、御訴も不申上段(もうしあげぬだん)奉恐入、然る処(しかるところ)、又候(またぞろ)今朝~

 長いのでここで区切る。「砌り=その折」は今は使われなくなった言葉だろう。「行形」は苗字(ゆきかた、いきなり、ゆきなり)があるも、ここでは〝ゆきかた=行方〟の意か。「相成・相尋・相知レ」など、やたら「相」が出てくる。古語辞典に「あい」はなく、あくまでも「あひ」。相には様々の意あるも、たびたび出て来る「相」は語調を整え、重みを加える意。「又候(またぞろ)=またしても、またもや」。そして今朝また盗賊に襲われる~

komon3-3_1.jpg今朝六ツ時頃、盗賊弐人立脇差之抜身(わきざしのぬきみ)を持、〆り有之(しまりこれある)候裏口之戸を押破(おしやぶり)、右様抜身持候儘二而、盗賊共申聞候者(もうしきかせそうらえば)、金子有之義(こんすこれあるぎ)を存知罷越候間、早々可差出(さしだすべく)、若不承知(もしふしょうち)二候ハ、切捨二可致旨(きりすてにいたすべくむね)、理不尽申之(りふじんこれをもうし)、返答当惑仕候故(つかまつり候ゆえ)~(続く)

 「右様(みぎよう)=右の様子、右の文章、右の通り、前述の如く」。この辺は古語辞典より「広辞苑」領域。ちなみに「左様(さよう)=その通り、そのよう」。「さようなら=左様なら=さようならば、しからば、そんなら」で別れの挨拶になる。脇差は武士が持つ「大小」の小。百姓町民も持つのが許されてい、弥次さん喜多さんも東海道中に腰へ差していた。


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