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盗賊油断之躰ヲ見済し [くずし字入門]

komon3-4_1.jpg 古文書講座復習8 前回復習の続き。隠居とは云え、お勉強は淡々と続けましょ。

見勢(みせ)之銭箱(ぜにばこ)二有之候売溜銭(うりだめぜに)二而も可差遣旨(さしつかわすべくむね)申偽置(もうしいつわりおき)、盗賊油断之躰ヲ見済(みすま)し、表口ゟ(より)街道江欠出(かけだし)、押込ミ這入(はいいる)候旨、高声二罵り候へハ、跡ゟ右盗賊抜身ヲ持、追欠(おいかけ)参り候間、逃ケ出(いで)候へ者(ば)、右追欠参り候儘二而、両人共逃退(にげさ)り立戻り不申(もうさず)~

 ここで区切る。自分で筆写するも、出だしが読めず。箱の「竹冠」を書き忘れ「相」になっていた。お粗末でした。「欠出=かけだし」「追欠=おいかけ」には、ちょっと笑った。それにしても盗賊対応のしっかりしたことよ。この時代はそれくらいの気構えがないと生きてゆけなかったのかもしれない。

 こんな勉強だが、例えば漱石の候文手紙なんか、ルビなしでも音読できるようになるんですね。スマホを持って良かったことの一つは、出先の待ち時間などで、このブログを開いて「音読・くずし字」を覚えたりすることができること。

「ゟ」は「より」で変換できる。今回は「而(て)」は「しかして」で変換できることに気付いた。わざわざワード「IMEパット」を開いて旧字を得なくとも、かくなる要領で他の字も出せるかもしれない。

tozokulast_1.jpg今朝之義者(は)何二而(て)も紛失物無之(これなく)、且盗賊義紙合羽壱ツ捨置候、則(すなわち)持参仕候、逃退り候跡相尋候へ共、行形(ゆくかた)相知不申(あいしりもうさず)、依而(よって)此段御訴奉申上候、此後(こののち)手掛り等も有之候ハゞ、猶亦早速御訴可申上(もうしあげるべく)候、已上(以上)

 以上、文化八年の角筈村源介店へ入った盗賊の被害届。いつの時代も悪い奴がいて、それは今も変わりません。


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