椿事・新宿戸山の迷いオシドリ

　「３月20日のオシドリ」を記した後の22日夕方のこと。「“餃子の王将”で」「餃子を食べませう」ってんで、戸山公園を経て東西線「早稲田」駅近くに向かった。公園を出る手前の小池で、子らが棒を持ちはしゃいでゐた。見れば、なんと云うことでせう。オシドリがゐるではありませんか。子らを厳しく叱って、ラーメン・餃子・炒飯のセットに、もうひとつ餃子とホイコーローを注文して二人で食べた。同公園は犬の散歩コースで、早大生がグラウンド替りに使ひ、少年野球も練習。ノラ猫もゐる。帰り道、オシドリは誰かに脅され、とうに飛び立ってゐるに違ひないと思ひきや、薄暗い池縁に寂しく佇んでゐたではないか…。

　世界で5000羽。其の５％が東京で越冬。ネットで都内公園のオシドリ生息数推移表や御苑「玉藻池」工事のオシドリ消滅事件を知ったばかり…。翌23日早朝、気になって公園に行った。別の小池にゐた。写真を撮って我が家でモニターを見れば“左足”にバンディング。「IN･･･200」。ネットに同じやうな記述があって、其れは「INOGASHIRA　ZOO」とあった。ソレかも知れぬ。今度は井の頭公園動物園を検索。1988年より「オシドリ千羽計画」なる繁殖活動を展開とあった。その繁殖放鳥？なら、その人慣れに納得。だが放鳥されたオシドリは、春になったら何処に帰ればいいのだらうか…。（下町言葉+歴史的仮名遣いの練習文）。

美しきほど哀れなりはなれ鴛（おし）…村上鬼城　　迷ひ出でし誰が別荘の鴛一羽…正岡子規