キガシラや悟堂の愛を伝えをり [私の探鳥記]
昨日の続き…。葛西でギンムクドリ撮影後、西葛西駅から松戸駅へ。以前より「松戸の江戸川にキガシラシトド」の報が鳥サイトにあり。「さて何処でしょう」。ネット巡りを重ねれば「駅から10分の江戸川土手」。「駅から最寄の土手に上がって双眼鏡で長玉・三脚の人を探せば…」と眼鼻を付けていた。
土手に上がれば、眼下で鳥撮りセッション中。手持ちの気軽さで、三脚の方々の隙間からフォーカスすれば、頭部わずかに黄色の迷鳥キガシラシトド。数分連写をもって集団から外れた。関東では1935年振り。「よくもまぁ昭和10年の記録があったなぁ」と調べれば、「日本野鳥の会」創立の翌年。中西悟堂が同会啓蒙に盛んに探鳥会を催し、会報「野鳥」編集発行に情熱をたぎらせていた時期。昭和10年の記録に納得。悟堂さん、今日の鳥撮りブームを何とみよう。<キガラシや悟堂の愛を伝えをり> うむ?<伝えてをり>か<伝えたり>か? ちなみに永井荷風「すみだ川」出版の年。2年後の「墨東綺譚」新聞掲載のために玉ノ井通いも始めたころ。今戸橋から山谷堀を遡って吉原大門まで歩いてもいて、途中で同小説冒頭で出てくる古本屋を発見している。
キガシラシトドの漢字は黄頭鵐。「鵐(しとど)」はアオジ、ノジコなどの古名で青鵐(アオジ)、黒鵐(クロジ)でお馴染み。「鵐目(しとどめ)」は金属・皮製品にあけた穴の縁を飾る金具で、鵐の眼に似ているからとか。写真下は黄色の頭。繁殖期に頭は黒く、この黄色が鮮やかになるとか。ライフリスト154。キガシラシトド連写後に、ちょっと上流のオジロビタキのポイントを教えていただいた。
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