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メジロ飛び合焦連写ゆめの夢 [おくのほそ道]

sakuramejiro1.jog_1[1].jpg 芭蕉は等窮宅の長逗留を切り上げ5月1日に福島入り。翌日、文字摺石を見に行く。石の上に布を置き、しのぶ草などでこすって色を染み込ませ、もじり乱れた模様にしたことから「もじずり石」。芭蕉がそこに行ったのは有名な歌枕(和歌に詠まれた題材)ゆえ。と云うより「おくのほそ道」は西行はじめが詠った歌枕を訪ねる旅なり。

 そこで芭蕉が詠ったのが14句目<早苗とる手もとや昔しのぶ摺> 田植する早乙女の素早い手つきを見ていると、昔、この辺りでしのぶ摺りをした手つきもあんなであったろうと偲ばれてゆかしいことよ。

 さて、この句をどうもじろうか・・・。昔の鳥撮りはまず露出計。露出とシャッター設定。左指でピントを合わせ、右人差し指でシャッター、右親指でフィルム巻き上げレバー。しかし今はコンピュータ全自動。被写体に自動合焦、動く被写体も一たび合焦すれば追従もする。1秒7、10回の連写。暗ければ感度も上げられて、手ブレ予防機能で三脚もいらぬ。中西悟堂、仁部富之助の野鳥本を拝見すれば、野鳥写真は苦心の極み。先達らにとってデジタルカメラは夢のまた夢だったに違いない。あの時代のプロ写真家の手順・手つきも今では懐かしい。おや、田植えも機械の時代。今は惚れ惚れとする「手つき」ってぇのが絶滅寸前。

 ということで芭蕉句とは大きくピントがズレて・・・<メジロ飛び合焦連写ゆめの夢>と詠んだ。メジロの季は夏だが、新宿御苑の2月の寒桜にメジロが群れる。1月半ばには我がマンション・ベランダのローズマリーにも数羽のメジロが遊びにくる。野鳥の姿や動きは、どんなにデジタル化が進もうが原初のまま。「ゆかしい」さが増すばかり。日々貧しい暮らしだが「メジロ飛び交う春を愉しみに待ちましょ」という元気をくれる。


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