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浦安や恐竜辺り春の澱 [おくのほそ道]

kyouryukyou_1.jpg 6月11日、芭蕉は羽黒を発って鶴岡へ。6月13日に川舟に乗って酒田湊の医師・淵庵不玉の家を宿にした。酒田は諸国の舟が出入りして大繁盛。ここで二句詠んでいる。35句目<あつみ山や吹浦かけて夕すヾみ> 最上川の河口の袖の浦に舟を浮かべて夕涼みをしていると、南に温海山(あつみやま)、北は吹浦辺りが望める。大自然の景観に、のびのびとした気持ちで夕涼みをする快さよ。

 芭蕉が元禄2年の酒田湊なら、こっちは江戸の最新ランドマーク・東京ゲートブリッジと参ろう。鳥撮りに「葛西臨海公園」の渚に出ると、東に浦安のディズニーランドが見え、西に2月12日開通の同橋が見える。2頭の恐竜が向き合っているようで「恐竜橋」。江東区若洲から大田区城南島の約8㎞がつながる。橋は陸上部を含んで約3㎞、高さ約88㍍。2月4、5日に渡り初めイベント。また新たな東京名所。自転車で行ってみましょうか。

 だが、15日のNHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」で江戸川、荒川の河口部にセシウムが蓄積中をレポートしていた。両川に挟まれているのが葛西臨海公園。また江戸川河口より上流8㎞上流に河口部の2倍、福島原発沿岸とほぼ同じ汚染ポイントあり。2年後には東京湾全域に汚染が拡大。10年間はなくならないだろうと報じた。3月の福島原発事故による放射能が、野山から川に流れ下っている。「春の澱」と記したが、これは人類にあってはならぬ最悪のセシウム134、137の蓄積。原発は国土を、故郷を、海を、山を、野を、田を、街を、産業を、営みを、生命を、文化をも破壊している。原発事故は欲を貪った結果だろう。日本人は慎ましく生きることを学び直さなければいけないのだが、まだ欲を貪ろうとする懲りない人々がいる。ドイツと人間の成熟度が違うのかも知れない。


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