夏干潟セイタカシギの優美かな [おくのほそ道]
芭蕉が象潟で詠んだ二句目が・・・<汐越や鶴はぎぬれて海涼し> 「鶴はぎ=鶴脛(はぎ)」で「脛」はすね、はぎ、ケイ、ギョウ。「汐越」は象潟の北方で「海北にかまへて、浪打入る所を汐ごしと云」と案内している。潟が海に通じていた個所で、今も「大塩越し」の名あり。句の意は、汐越に降り立つ鶴の足は、浅瀬の潮にぬれ、あたりの海もいかにも涼しげだの意。
しかし6月17日は、太陽暦8月2日。真夏に鶴がいるわけがなく、芭蕉が見たのは何だったのか。またも幻視か。安東次男「おくのほそ道」には、曾良が松島で詠んだ<松島や鶴に身をかれ~>の写しの洒落だと記しているが、「鶴に海涼し」では洒落にもならぬ。
東京湾の干潟に鳥撮りに行けば、鶴もコウノトリもいないが、サギやシギの涼しげな光景はよく眼にする。そのなかでも脚が最も長く美しいのはセイタカシギだろう。この写真は昨年8月の葛西で撮った。隣の観察者が「昔は珍しかったが、今は普通にいるんだよなぁ」と呟いていた。<夏干潟セイタカシギの優美かな>
2012-01-22 07:50
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