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江戸ほどの質素な膳の美しさ [おくのほそ道]

 象潟に着くと、神祭りの最中だった。芭蕉は「祭礼」として曾良と、美濃商人で俳人の低耳(ていじ)の二句を載せている。曾良さん、腹が減っていたか、こんな句を詠んでいる。<象潟や料理何くふ神祭>。この祭りは魚肉を食べない習慣とかで、人々はお祭りのご馳走に何を食べるのだろうという句。魚肉がダメなら菜食だろう。野菜だけでも料理次第で美味しくいただける。

 ダイエット中に温野菜を食べ続けたことがある。そんな時に江戸時代の小説や映画に出てくる一汁一菜の膳を思い出す。それを気取って「おい、今夜は大根おろしだけでいいぞ」とかかぁに言えば、それに加えて他数品が食卓に並べられる。「一汁一菜」の食卓なんて考えられんのだろう。意識された「慎ましさ」は「美しさ」に通じる。<江戸ほどの質素な膳の美しさ>


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