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荒磯や眺めるだけの海になり [おくのほそ道]

araiso_1.jpg 芭蕉は7月13日に市振を発って14日に高岡。ここから「くろべ四十八が瀬とかや、数しらぬ川をわたりて、那古と云浦に出」、さらに早稲の香のする田の道を分け歩み、越中と加賀の境の倶利伽羅峠に出た。峠から見れば右に有磯海が見えると45句目<わせの香や分入(わけいり)右が有磯海>を詠んだ。「有磯海」は地名ではないから、場所特定できず句碑が何か所にもあるそうな。

 伊豆大島は荒磯に囲まれている。磯釣りとダイビング好きで、この荒磯が気に入って遊び小屋を建てたのが20年も前のこと。ねっ、魅力的な磯でしょ。磯前にはダイバーの車がズラッと並ぶ。磯に座って海を眺めれば、かつて親しんだ海の中の景色・地形が浮かんでくる。美しい魚が泳ぎ、旨そうな魚や貝もいる。だが歳と共に海は次第に眺めるだけになってしまった。<荒磯や眺めるだけの海になり>。今朝は身体に加え頭も動かねぇ。こんな句を詠んだせいで、ちょっと哀しい。「おくのほそ道」残すは16句。16日も経てば梅も寒桜も咲こう。


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