SSブログ

国滅ぶ軋みの中に春が咲き [おくのほそ道]

boke1_1.jpg 7月15日、芭蕉は倶利伽羅峠を越えて金沢入り。蕉門の新進気鋭「一笑(いつせう)」に逢えると楽しみにしていたが、昨年12月に早逝したことを知って愕然とする。その悲しみをこう詠んだ。<塚も動け我泣声は秋の風> 私の泣く声は、秋風となって塚を吹く。塚よ、わが深い哀悼の心を感じてくれよ。

 山本鉱太郎著「奥の細道なぞふしぎ旅」では、芭蕉がそこまで落涙するワケがわからぬと記す。金沢で支配的だった貞門派に比し蕉門派盛り上げに「一笑」をともくろんでいたも亡くなってい、そこに「北枝(ほくし/刀研ぎ商)」を据えて逆転せんとする芭蕉一流のプロパガンダで詠んだ句だろうと推測。嵐山光三郎の「悪党芭蕉」で描かれた、芭蕉のもうひとつの顔が浮かんでくる。そんなこんだで芭蕉は金沢で8泊している。

 そういえば『ふりむけば日本海』なる歌謡曲の取材で小松空港より金沢・内灘海岸へ行き、五木寛之と五木ひろしの海岸を歩くフォトセッションから市内会館のコンサートを取材したことがある。松原健之君『金沢望郷歌』もここで初披露されたか。

 さておき、この句をどう遊ぼうか。こっちはより大きく国を憂おう。<国滅ぶ軋みの中に春が咲き> どうもこの国は立ち行かなくなったようだ。大地震、大津波、放射能汚染、さらに関東にも大地震予測、国の財政破たん、政官のていたらく・・・。お先真っ暗だが、そんなことに関係なく咲く花は咲く。せめて、そんな花に癒されましょ。ボケ(緋木瓜・寒木瓜)ないように。


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。