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しほらしき大地も時に牙を剥き [おくのほそ道]

susuki1_1.jpg 金沢を出た芭蕉は、7月24日から26日まで小松に滞在した。「小松と云所にて」の詞書で49句目<しほらしき名や小松吹萩すゝす> 小松とは可憐な名で、その名と同じ小松があって、そこに吹く風が萩やすすきもなびかせて情緒のある秋の景色だことよの意。松・萩・すすきと季が連なる。「しほらしい」と「しをらしい」どっちだろう。旺文社の国語辞典は「しをら・し」。

 うむ、「しほらしい」ってのは曲者で、時に猛々しく豹変もするから「しほらしい」人を侮ってはいけない。世の人は概ね「しほらしく」生きている。あたしは黒子(ゴースト)ライターも生業だったゆえ、とてもしほらしく健気に生きてきた。ウソじゃないって。組織のなかにもしほらしいイエスマンが多い。なかには虎の威を借りて威張っているバカもいる。一方、トップもその座に胡坐をかいていれば足をすくわれる。企業ならマーケティングリサーチも肝心か。謙虚さと努力を忘れたら「アラブの春」を挙げるまでもなく、しほらしく耐えてきた人々が牙を剥く。

 今はしほらしく物言わぬ自然・地球が、なんだか怒っているような気がしないでもない。<しほらしき大地も時に牙を剥き> 季は「大地」で四季。写真は小松ならぬ新宿のすすき。


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