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たふるゝば大手術せず逝くもよく [おくのほそ道]

simayuhi1_1.jpg 芭蕉、曾良、北枝が共に山中温泉で逗留も、曾良は腹痛で芭蕉の世話どころではなく足手まといになると、芭蕉らと別れる。「曾良は腹を病て、伊勢の国長島と云所にゆかりば、先立て行に<行/\てたふれ伏とも萩の原>(曾良)と書置たり。」

 紀行文のなかに曾良句を挿入し、次の文章につなげて最後に自分の句で結んでいる。全五十章のなかで一味違った構成。挿入された曾良句の意は・・・師と別れて旅を続け、道中倒れたとしても、それが折から盛りの萩の咲く野であったなら、死んでも本望である。誰が考えても、なんだか変な別れ方だ。いろいろ詮索してみたくなるが止めとく。

 「たふ・る」は「倒る」。「行行(ゆきゆき)て」は二字繰り返しの「くの字点」で、これは岩波文庫「芭蕉おくのほそ道」も、小学館の日本古典文学全集もちゃんと「くの字点」になっているが、これがワードでは縦書き、横書き共に出ない。「くの字点」は「斜め=/と\」で「/\」、「くの字濁点」は「斜め/+”+\」で「/″\」で対処。古典がスムーズに打てぬとは、なんとも情けない。

 さて、芭蕉は「おくのほそ道」の旅を終えた5年後、51歳で亡くなった。曾良が亡くなったのは62歳だったらしい。あたしもいつ死んでもおかしくない歳になった。長生きすれば概ねガンで死ぬ。気付いたら末期ガンでアッという間、この世とアッサリおさらばしたい。<たふるゝは大手術せず逝くもよく>


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