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ケリを撮り鳥撮りにけり付けるかな [おくのほそ道]

 芭蕉は曾良と別れ、彼が書き置いた句を記した後に「行ものゝ悲しみ、残ものゝうらみ、隻鳧(せきふ)のわかれて雲にまよふがごとし。予も亦・・・」と記し、自身の句<今日よりや書付消さん笠の露>を載せている。 「隻鳧=二羽のケリ」。旅の門出にあたって、笠の裏に「同行二人」(どうぎょうににん)と書いたが、今日からは一人で旅をしなければならない。一人旅の笠の露で、その書付をけさなくてはなるまい。季は「露」で秋。

 とは云え、芭蕉は大垣に戻るまで曾良の手配により弟子らが次々に案内・同行で、それほど淋しくない。そう詠む側には「北枝」がいる。さて、あたしは「鳥撮り」ゆえ、句ではなく散文の「隻鳧」をいじってみたい。鳧(ケリ)はチドリ科で、耕作地に飛んで来るそうで、新宿暮しのあたしには耕作地を探し歩く機会がなく、未だケリもタゲリも撮っていない。まぁ、いずれ撮るとは思うのですが・・・。そこで<ケリを撮り鳥撮りにけり付けるかな> 

 短歌俳句は「けり」で終わる例が多く、これは「詠嘆・感動」や、過去に起こって今も続いて回想で使われる助動詞。またそこから「結末、決着」の意になって「ケリをつける」などにも使われる。句は二つの「ケリとけり」で隻鳧(せきふ)。四つの「り」で「支離(しり)滅裂」句になり申した。


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