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浪の間やシギが啄む餌に毒 [おくのほそ道]

kosagi3_1.jpg 芭蕉は西行の「汐そむるますほの小貝拾ぐとて 色の浜~」の「ますほの小貝」を拾ってみたく、敦賀から舟を仕立てて種の浜(色ヶ浜)に行った。<波の間や小貝にまじる萩の屑> 「ますほの小貝」は学名・千鳥ますほ貝。薄紅色がさす小さな貝。それに混じって萩の花屑があったよの意。

 あたしが鳥撮りによく通った葛西臨海公園は東京湾の最奥部で荒川河口と江戸川河口に挟まれている。今、福島原発から風に乗り散った放射能が、山や野を経て川に流れ込み、河口部に沈殿し始めている。場所によっては原発近海より高いセシウムが検出されている。やがて東京湾いっぱいに蓄積されようとニュースが報じていた。

 河口の底に溜まったセシウムをゴカイらが食い、それらを餌にするシギ、チドリをはじめの水鳥ら。彼らが優雅に餌を啄む姿を見るたびに、「あぁ、セシウムが」と思ってしまう。人の営み、故郷を奪い、物言わぬ水鳥らも蝕んでいる。いったい全体、原発はなんてことをしてくれたんだ。<浪の間やサギが啄む餌に毒> 


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