SSブログ

猪瀬直樹『ミカドの肖像』(5)メジロの来る庭 [『ミカドの肖像』]

meji1_1.jpg 『ミカドの肖像』第Ⅰ部は、昭和天皇のゴルフから第四章「避暑地軽井沢と八瀬童子」、第五章「修羅としての大衆」で終わる。

 かつて阿久悠は・・・♪上野発 夜行列車/おりた時から/青森駅は 雪の中~ で「僕はたった22字で、上野から津軽海峡の冬景色まで誘った」と自慢していた。『ミカドの肖像』は捨象されることなくダラダラと長い記述が続く。時に論理(推測)が破綻するも、お構いなしに次の事象へ移って行く。(笑い)。

 第四章・・・村が時代に乗れるか否かはリーダー次第。東長倉村は軽井沢村に変え、堤康次郎と組んで避暑地、レジャー地へ発展した。比して天皇の棺を担ぐ京都八瀬村の八瀬童子は、天皇が京都を去った後も明治天皇、大正天皇崩御に棺を担ぐことを執着し、同村は西武の「宝ヶ池プリンスホテル」に呑み込まれた。

 第五章・・・再び堤康次郎の軽井沢開発の逸話に戻って、「まずは土地」の信条から、プリンスの名を冠した諸事業が、皇太子・美智子妃のテニス、そしてゴルフブームなどと相乗的に発展し、西武は大衆消費、レジャー時代の帝王になった。著者は何を言いたかったのか。約6千字を、250字でまとめた。飽きてきたので、余談・・・

mejirocup2_1.jpg 余談1) 第Ⅱ部「歌劇ミカドをめぐる旅」に併読すべく庄野潤三『サヴォイ・オペラ』を入手。するってぇと同氏著に『メジロの来る庭』あり。実は大久保の我が家(7階)ベランダに、今年もメジロが来た。一昨年が1月18日から、去年が2月7日、今年は1月10日。気象状況も毎年違う。かつ昨今はメジロが殖えているようにも思われる。本を読みつつ、ベランダに集うメジロを愉しむ毎日で御座候。(追記:メジロは例年、東京マラソンの頃、新宿御苑の梅が咲き、寒桜が咲くころに来なくなる。)

 余談2) 昭和天皇の新宿御苑ゴルフコースを記したので、御苑がらみ・・・。長く工事中だった新宿御苑の温室が完成した。大期待していたが外観・室内共にすっきりモダンで、なんとも味気ない。例えば今までの温室は「ドン.キホーテ」みたいに溢れるほどの商品(植物)を迷路廻りで探し見るかの楽しみがあった。今はスッと通り過ぎるだけ。新しくなって、つまらなくなるものも多い。新しくなった都政、国政ともに観察を怠ってはいけない。

gyoenonsitu_1.jpg


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。